特定一階段防火対象物 

特定一階段防火対象物 

特定一階段防火対象物『とくていいちかいだんぼうかたいしょうぶつ』は消防設備業務を実施する際、大変よく出てくる言葉であります。この特一(とくいち)に該当すると消防法上の設置基準や防火管理体制についての取り扱いが厳しいものになります。また物件調査とかで通常の建物としていたのに、実は特定一階段防火対象物であったなんてこともあるので注意が必要です。

特定一階段等防火対象物の概要

別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項又は(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が避難階(建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第十三条第一号に規定する避難階をいう。以下同じ。)以外の階(一階及び二階を除くものとし、総務省令で定める避難上有効な開口部を有しない壁で区画されている部分が存する場合にあつては、その区画された部分とする。以下この号、第二十一条第一項第七号、第三十五条第一項第四号及び第三十六条第二項第三号において「避難階以外の階」という。)に存する防火対象物で、当該避難階以外の階から避難階又は地上に直通する階段(建築基準法施行令第二十六条に規定する傾斜路を含む。以下同じ。)が二(当該階段が屋外に設けられ、又は総務省令で定める避難上有効な構造を有する場合にあつては、一)以上設けられていないもの

消防法施行令

ざっくり書きますと、避難階以外の階の地下3階以上に特定用途が入居していない物件で、地上または避難階への直通避難階段が1系統のものを言います。

特定一階段を確認するチェックリスト

  • 避難階以外の地下または3階以上に特定用途がは入居していないか?
  • 避難階への屋内直通階段が1系統かどうか?
  • 屋内避難用階段が2系統ある場合、区画壁などで階段2系統が問題なく使用できるかどうか?

まず地下と3階以上に特定用途がある場合は該当する可能性があります。その場合は階段の形状を確認します。避難階への直通階段が屋内階段で1系統のものは特定一階段防火対象物に該当します。また、階段が2系統ある場合でも開口部のない区画壁で2系統の階段を使用できない場合は、特定一階段防火対象物に該当します。

該当する場合

特定一階段防火対象物

開口部の内区画壁画像

特定一階段等防火対象物に該当する場合は屋内階段が1系統で地下又は3階以上に特定用途が入居する防火対象物です。特定用途・非特定用途
上の図は単純に屋内階段が1系統なので、地下か3階以上の用途を確認すればすぐわかります。
では階段が2系統ある場合はどうでしょうか?階段が2系統あれば特定用用途防火対象物に該当しませんが下の図の場合開口部のない区画壁が設置されています。この場合は2系統の階段を使用することができません。そのため特定用途防火対象物となります。実際の物件では、3階建ての長屋の3階に飲食店が入っている場合などが考えられます。

特定用途の例

劇場、集会場、キャバレー、遊技場、性風俗、カラオケ、飲食店、物販、ホテル、病院、福祉施設、蒸気浴場

番外編

特定一階段防火対象物の画像
単体の用途が非特定でも主たる用途が特定の場合は特定用途になる

通常倉庫は非特定用途のため図の場合は特定一階段防火対象物にはなりません。ですが、使用しているテナントが飲食店営業の倉庫や、物販に付随する倉庫の場合は特定用途として取り扱われています。特定用途に付随する倉庫や事務所の場合はご注意くださいませ。

該当しない場合

建物の構造
開口部がなくても屋外階段なので該当しない
建物内部構造
開口部がなくても屋外階段なので該当しない

特定一階段等防火対象物は屋外に避難階段が設置されている場合は該当しません。まれにぱっと見屋外階段のような形状をしている場合や、確認申請で屋内階段となっている場合があるので注意が必要です。

特定一階段等防火対象物に該当する場合の影響

再鳴動式自動火災報知設備が義務設置になる

P型2級火災受信機
再鳴動式の火災受信機P型2級

特定一階段防火対象物に該当する場合は面積に関係なく建物全館に義務設置になります。また火災受信機は再鳴動方式の設置が必要になります。再鳴動式は火災感知器が作動しベルが鳴動した際、状況の確認などで一時的に音響を止めても一定時間が経過したら再びベルが自動的に鳴動する仕組です。一昔前の火災受信機はレバーを下げることでベル【地区音響】を停止していましたが、この受信には一旦レバーを下げてしまうと戻すまでベルが鳴動しないので火災の発生を周知することができなくなってしまいます。現在の製品はほぼ全て再鳴動担っています。

また、階段室の竪穴区画に設置する煙感知器は従来ですと15mに1台設置することになっていましたが特定一階段防火対象物では7.5mに1台設置する必要があります。

参考記事:既存の建物に自動火災報知設備を設置してみた

一動作式の避難器具が必要
【ベランダ・バルコニー以外に設置の場合】

一動作式菅鋼機
一動作式緩降機

避難器具を設置している場所がベランダやバルコニーまたは、常時使用できる状態でない場合は、1動作で展開する避難器具を設置することが義務になります。1動作で展開できる避難器具は緩降機がメインとなってくると思いますが、建物自体に設置する固定式の避難器具も1動作で展開できるため設置されている場合があります。

防火対象物点検が義務になる

特定一階段防火対象物で全体の収容人数が30人以上の場合は防火対象物点検が義務になります。防火対象物点検では、建物が適正に防火、避難上維持管理できているかどうかをチェックします。点検は建物すべての入居テナントが義務になり、共用部も別に点検することになります。

まとめ

特定一階段防火対象物に該当する場合は様々な規制がかかってきます。これらに関する消防設備の改修工事等はタイムラン防災へご相談ください。

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