屋内消火栓の設置基準・どのような建物に設置が必要か?

屋内消火栓の設置基準・どのような建物に設置が必要か?

屋内消火栓を設置するかどうかは、建物の構造と面積の組み合わせで決めていきます。まず、建物の構造を3種類に分け、種類ごとに設定されている面積以上かどうかで必要か不要かを判定していきます。

地下や無窓階、4階以上の階はその他の階と異なり、消火活動がより困難になります。このような場合ではさらに面積基準が一般階よりも厳しめに設定されています。では簡単に書いていきます。

屋内消火栓を設置する

屋内消火栓イメージ

  1. 建物の構造を確認
  2. 内装制限の有無を確認
  3. 建物の用途を確認
  4. 地下、無窓、4階以上の階かどうか確認

建物の構造を見て、どの構造に該当するかを確認します。構造は『耐火構造+内装制限』『耐火構造/耐火構造以外+内装制限』『それ以外』の3つに分けます。耐火性能の高い方から規制が緩くなり、設定面積が大きくなります。

構造について

スケルトンの空き店舗

建物の構造は主に『鉄筋鉄骨コンクリート・SRC』『鉄筋鉄骨コンクリート・RC』『鉄骨・S』『木造』に分けることができます。この中でどれが耐火構造、準耐火構造か?、またそうでないかを知る必要があります。

すべてがこの通りでないこともありますが、非常にざっくり書いてみますと下記の通りです。

  構造
耐火構造 鉄筋鉄骨コンクリート 【SRC】
鉄筋コンクリート      【RC】
鉄骨贈+耐火処理  【S】
準耐火構造 鉄骨造 【S】
それ以外

構造については登記簿で確認すれば書いてあります。

内装制限について

高天井

内装制限とは、壁や天井を燃えにくい材料で施工するという制限です。材料は『不燃材料』『準不燃材料』『難燃材料』に分けられ、施工については建築基準法により定められています。ここでは内装制限の有無を確認できればOKです。

耐火構造+内装制限 規制が緩い

耐火構造
準耐火構造+内装制限

規制がやや緩い
上記以外 規制が厳しい

建物の用途について

避難口誘導灯

防火対象物で使用する用途を確認します。消防法令では20個の用途に分けれられており、その用途ごとに設定面積が異なります。火災による被害が大きいものは設定面積が小さく、そうでない場所では大きくなります。

これまで書いたことをまとめて一つの表にしてみますと次のようになります。

防火対象物【令別表第一】
特定用途は赤で記載
耐火構造
内装制限
(延面積)
耐火
準耐+内装制限
(延面積)
その他
(延面積)
劇場等  
集会場等 
1イ
1ロ
1,500 1,000 500
キャバレー
遊技場
性風俗特殊営業
カラオケ・個室ビデオ
2イ
2ロ
2ハ
2ニ
2,100 1,400 700
料理店
飲食店
3イ
3ロ
2,100 1,400 700
物品販売・百貨店 2,100 1,400 700
旅館・ホテル
共同住宅など
5イ
5ロ
2,100 1,400 700

・避難介助が必要な病院
・避難介助が必要な診療所 
・上記2つを除く病院 
 診療所・有床助産所

・無床診療所/無床安産所

6イ1
6イ2
6イ3


6イ4

1,000※1
1,000※1
2,100


2,100

1,000※2
1,000※2
1,400


1,400

700

老人短期入所施設
老人デイサービス
特別支援学校

6ロ
6ハ
6ニ

1,000※1
2,100
2,100

1,000※2
1,400
1,400

700

学校など 2,100 1,400 700
図書館 2,100 1,400 700
蒸気浴場
一般浴場
9イ
9ロ
2,100 1,400 700
車両停車場 10 2,100 1,400 700
神社など 11 3,000 2,000 1,000
工場
スタジオなど
12イ
12ロ
2,100 1,400 700
車庫など
航空機などの格納庫
13イ
13ロ
倉庫 14 2,100 1,400 700
前項以外【事務所・美容室等】 15 3,000 2,000 1,000
複合用途【特定用途入居】
複合用途【特定用途入居なし】
16イ
16ロ
各用途基準 各用途基準 各用途基準
地下街
準地下街
16・2
16・3
450 300 150

面積は倍読みになっているのが特徴です。

※1 基準面積1,000㎡ or 2,100㎡の小さい方
※2 基準面積1,000㎡ or 1,400㎡の小さい方

地下、無窓、4階以上の階かどうか確認

レトロな消火栓

一般の面積基準で設置に該当しない場合でも、地下、無窓階、4階以上の階で設置義務が課される場合があります。この場合は該当する階の『床面積』で判定していきます。

防火対象物【令別表第一】
特定用途は赤で記載
耐火構造
内装制限
(床面積)
耐火
準耐+内装制限
(床面積)
その他
(床面積)
劇場等  
集会場等 
1イ
1ロ
300 200 100
キャバレー
遊技場
性風俗特殊営業
カラオケ・個室ビデオ
2イ
2ロ
2ハ
2ニ
450 300 150
料理店
飲食店
3イ
3ロ
450 300 150
物品販売・百貨店 450 300 150
旅館・ホテル
共同住宅など
5イ
5ロ
450 300 150

・避難介助が必要な病院
・避難介助が必要な診療所 
・上記2つを除く病院 
 診療所・有床助産所

・無床診療所/無床安産所

6イ1
6イ2
6イ3


6イ4

450

300

150

老人短期入所施設
老人デイサービス
特別支援学校

6ロ
6ハ
6ニ

450

300

150

学校など 450 300 150
図書館 450 300 150
蒸気浴場
一般浴場
9イ
9ロ
450 300 150
車両停車場 10 450 300 150
神社など 11 600 400 200
工場
スタジオなど
12イ
12ロ
450 300 150
車庫など
航空機などの格納庫
13イ
13ロ
倉庫 14 450 300 150
前項以外【事務所・美容室等】 15 600 400 200
複合用途【特定用途入居】
複合用途【特定用途入居なし】
16イ
16ロ
各用途基準 各用途基準 各用途基準

後付けで消火栓が必要になってしまった場合

動力消防ポンプ
動力消防ポンプ

まれに後付けで消火栓が必要になってしまうことがあります。どのような時かというと、改装工事やリニューアル工事で無窓階になってしまった、倉庫などで、知らずに増床してしまったという場合です。

増床は違法建築のため撤去する必要がありますが、床を張っている状態では消防法令違反となるため必要な消防設備を設置しなければなりません。※床を撤去すれば設置は不要になる。

後付けで設置するとなると、消火栓ポンプ、水源設置、給水工事、電気工事、配管工事、消火栓設置工事を既存の建物に強引に入れなければなりません。想像しただけでもものすごく大がかりな工事になります。

そのような場合は、パッケージ型消火設備や動力消防ポンプで代替できる場合があります。※設置できるかどうかの条件は各設備によって決まっています。

参考記事:パッケージ型消火設備を設置しよう!
参考記事:動力消防ポンプを設置してみた

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