自動火災報知設備の設置基準【用途と面積により決まります】

自動火災報知設備の設置基準【用途と面積により決まります】

自動火災報知設備の設置基準

設置基準の基本は「用途」×「面積」

法令集

自動火災報知設備が必要かどうかについては、どのような「用途」で使用しているかと、その建物がどれほどの規模なのかの「面積」によって決せられます。また、用途と面積以外にも「指定可燃物等の数量」による基準も設けられています。

設置が義務になるかを調べるためには対象物の用途を確認し建物の面積が基準値以上なのか否かを照らし合わせ、追加して指定可燃物の数量の確認をすることで確認することができます。

自動火災報知設備には様々な条件応じての設置基準があります。

自火報の設置が必要な場合
  • 強制的に設置が必要な用途【ホテル・カラオケ・一部の福祉施設】
  • 特定一階段等防火対象物
  • 通常の設置基準に該当する対象物『面積基準』
  • 地下、無窓階、3階以上で基準値以上の対象物
  • 11階以上の階
  • 建物に付随している駐車場で基準値以上の対象物
  • その他

ホテル、カラオケ、避難困難者を収容する福祉施設は全て自火報設置が義務になります。次に特定一階段防火対象物も義務です。さらに、11階以上の階についても設置が義務になりますそれ以外の場合は、面積による基準や指定可燃物以上である場合の基準により設置が義務となります。

自火報の設置が義務になる防火対象物

ホテル、カラオケ、避難に支障がある方を収容する福祉施設、航空機格納庫、文化財

特定一階段防火対象物 11階以上の階

全てに設置が必要なもの

下記のものは全てにおいて自火報の設置が必要となります

  • 11階以上の階
  • カラオケボックス等
  • 避難に介助が必要な病院、
  • 避難に介助が必要な有床診療所
  • 病院、有床診療所、無床診療所
  • 老人デイサービスなどで入居又は宿泊ができるもの
  • 航空機などの格納庫
  • 文化財
  • 特定一階段等防火対象物

これらの用途は、用途の特性により著しく甚大な被害が発生することが想定できるため義務となっています。

また、特定一階段等防火対象物はビル全体に自動火災報知設備の設置が必要になるという、非常に厳しい基準が設けられています。 また特定一階段等防火対象物は、特定用途が、地下または3階以上に存在する屋内階段が1系統の建物のことを言います。 特定一階段等防火対象物

通常の設置基準「用途」×「面積」

受信機設置前

 全てに設置が必要なもの以外の場合は次の表によるものとなります。用途によって設置基準が設けられています。通常建物の延べ面積となりますが、16項のような複合用途の場合は各階の用途が入居する床面積で設置になる場合があります。

複合用途の非特定防火対【16項ロ】:象物延べ面積【400㎡】
内訳 共同住宅【300㎡】ホテル【100㎡】の場合

建物全体には必要なく、ホテル部分にのみ設置が必要となる。

自動火災報知設備の設置例
防火対象物【令別表第一】特定用途は赤 通常の基準【述べ面積】
劇場等  
集会場等 
1イ
1ロ
300㎡以上
キャバレー
遊技場
性風俗特殊営業
カラオケ・個室ビデオ
2イ
2ロ
2ハ
2ニ
300㎡以上
300㎡以上
300㎡以上
全部
料理店
飲食店
3イ
3ロ
300㎡以上
物品販売・百貨店 300㎡以上
旅館・ホテル
共同住宅など
5イ
5ロ
全部
500㎡以上

・避難介助が必要な病院 ※1
・避難介助が必要な診療所 ※1
・上記2つを除く病院/診療所・有床助産所

・無床診療所/無床安産所

6イ1
6イ2
6イ3


6イ4

全部
全部
全部

300㎡以上

老人短期入所施設
老人デイサービス
特別支援学校

6ロ
6ハ
6ニ

全部
300㎡以上
300㎡以上

学校など 500㎡以上
図書館 500㎡以上
蒸気浴場
一般浴場
9イ
9ロ
200㎡以上
500㎡以上
車両停車場 10 500㎡以上
神社など 11 1000㎡以上
工場
スタジオなど
12イ
12ロ
500㎡以上
車庫など
航空機などの格納庫
13イ
13ロ
500㎡以上
全部
倉庫 14 500㎡以上
前項以外【事務所・美容室など】 15 1000㎡以上
複合用途【特定用途が入居】
複合用途【特定用途が入居なし】
16イ
16ロ
300㎡以上
各用途基準
地下街
準地下街
16・2
16・3
300㎡以上
500㎡で特定の合計が300以上
文化財 17 全部
アーケード 18  

通常の設置基準の例外 【地下・無窓階・3階以上】

ムチ3本

先に書きました通常の設置基準があります。その設置基準ある条件になる場合は少し厳し目の特別な基準が設けられていて、少しだけ基準面積を絞って設定してあります。

消防設備士試験で甲種4類を受験する場合はムチ3本と覚えるととよいのかと思います。

無窓階

地下にある階

3階以上

防火対象物【令別表第一】特定用途は赤 通常の基準【述べ面積】
キャバレー
遊技場
性風俗特殊営業
2イ
2ロ
2ハ
100㎡以上
※3階以上は300㎡
料理店
飲食店
3イ
3ロ
100㎡以上
※3階以上は300㎡
共同住宅など 5ロ 300㎡以上
学校など 300㎡以上
図書館 300㎡以上
蒸気浴場
一般浴場
9イ
9ロ
300㎡以上
車両停車場 10 300㎡以上
神社など 11 300㎡以上
工場
スタジオなど
12イ
12ロ
300㎡以上
車庫など 13イ 300㎡以上
倉庫 14 500㎡以上
前項以外【事務所・美容室など】 15 300㎡以上

複合用途【特定用途が入居】


複合用途【特定用途が入居なし】

16イ


16ロ

100㎡以上
※3階以上は300㎡

300㎡以上
各用途基準

通信機器室・道路の用に供される部分

『通信機器室』と『道路の用に供される部分』は個別の面積基準が設けられています。
道路の用に供される部分というとなんだかよくわかりませんが簡単にいうと道路のことです。トンネルをイメージするとわかりやすいかと思います。

通信機器室  500㎡以上
道路の用に供される部分 屋上  600㎡以上
道路の用に供される部分 その他  400㎡以上

駐車の用に供される部分

『駐車の用に供される部分』とは駐車場として使用する部分のことを言います。面積基準では10項に車両停車場という用途があり、設置基準は500㎡ということになっています。しかし地下や2階以上の場合は少し厳し目に面積を絞って200㎡以上ということになっています。

この基準には例外が有り、停めてある車両が全て同時に屋外に出ることができる場合は除外されています。

地下・2階以上の駐車の用に供される部分  200㎡以上

指定可燃物を貯蔵・取扱う場所

危険物に『指定数量』という単位が設けられています。指定数量以上の危険物を取扱ったり、貯蔵する場合は自動火災報知設備の設置基準により設置することとなっています。

取り扱い又は貯蔵する指定可燃物量が『指定数量』の『500倍』以上の場合自動火災報知設備の設置が必要になります。

危険物の指定数量を貯蔵・取扱う場所 指定数量の500倍以上

火災予防条例による設置基準も確認する

これまでの内容は消防法による設置基準ですが、各地方公共団体が定めている火災予防条例により別の基準が定められている場合があるのでチェックすることが必要になります。

弊社にて設備設置工事を承っております

火災報知器の新規設置、移設、増設に関する工事につきまして、弊社にて承ることも可能です。もし設置に関する質問事項などございましたらご遠慮なくお問い合わせのほどよろしくお願いいたします。

まとめ

設置基準には下記リストによるものがある

  • 全てに設置が必要な基準
  • 通常に設置基準
  • 通常の設置基準の例外
  • 通信機器室・道路の用に供される部分の基準
  • 駐車の用に供される基準
  • 指定可燃物のよる基準
  • 各地方公共団体の火災予防条例による基準

参考:消防法施行令

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