お客様から『消防設備が作動すると、消防署に通報されるのでしょうか?』と質問をもらうことがあります。自動通報をする消防設備は火災通報装置『通称:火通 かつう』のみです。
火災通報装置が設置されている防火対象物は全体の総数からするとレアケースで、ほとんどの物件では自動的に消防車がやって来ることはないでしょう。
今回は消防署への通報と消防設備の関係について書いていきます。
消防署と消防設備のつながり
通報する設備は火災通報装置のみ
消防設備で自動通報するものは『火災通報装置』のみ。外観上どのようなものかと言うと、
- 赤い電話
- クリーム色の制御盤『119火災通報』とかいてある※メーカーにより多少異なる場合があります
が、セットで設置してある。この2つがなければ、消防署へ自動的に通報することはないでしょう。
火災通報装置が自動通報するとき
- 自動火災報知設備が作動し火災通報装置が連動して通報
- 火災通報装置のボタンを手動で押し起動した
の2通りです。
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火通がないのに消防車がやってくる場合
前述以外に消防車がやってくるケースがあり、その場合とは?
- 自動火災報知設備の警報音を聞いて誰かが通報
- 自動火災報知設備が作動し警備会社が通報
- 通りがかった消防関係者が伝達した
といった具合でしょうか。
警備会社と契約しているビルは、自火報が鳴ると同時に警備会社のコントロールセンターに信号を送ります。数分後に警備員がやってきます。もしくはそのビルの管理室に様子をさぐる連絡が入ります。
様子を探れなかった警備会社が消防署へ119番ということもあります。
ここ最近では、警備会社が警備員を現場に送り込む前に119番通報する『代理通報』の試験を行っています。機械の誤作動かはさて置き、火災の場合では消防隊に勝るものはありません。消防設備の信頼度が上がるほど、代理通報は非常に効果的であります。
火災報知設備が誤作動を起こさないために
自動火災報知設備が誤作動を起こさないためにはどうすればよいでしょうか。
- 経年劣化
- 台風などの気象の変化
- 機器類に接触してセンサーが働いた
- 雨漏れ、水漏れ
- ネズミによる配線の損傷
- いたずらで押し釦をおした
- その他、人的な結果
劣化、台風、雨漏れ、水漏れ、ネズミに関してはメンテナンスや耐用年数のリニューアルで対策可能です。
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【※人的な結果についてのたとえ話】
とある物件で天井内に自動火災報知設備の配線がありました。
自火報以外の業務でいろいろな業者さんが工事をしています。
作業中に誤って自火報配線にテンションを掛けてしまいました。
その結果天井の骨組みに引っ掛け配線がショートして自動火災報知設備が作動しました。
といったような場合です。皆様各々の工事業者様は経験を積んでいるためレアケースであると思います。しかし、原因としては十分にあることでしょう。居抜き物件工事ではありえる話なので十分注意が必要になります。
まとめ
- 消防署へ通報する設備は火災通報装置のみ
- 火災通報装置は自動火災報知設備と連動する
- 火災通報装置の押し釦を押すと自動通報
- 火通がない場合は誰かが通報した
- 警備会社が連絡することがある
- 誤作動は未然に防ぐことができる