火災通報装置【火通・かつう】の試験装置を使って、どのように火災通報装置が働き、消防署とのやり取りがなされるのかを点検・訓練を実施しました。
自動火災報知設備による連動、または火災通報ボタンの手動起動にて消防通報『119』を行います。通報がされると、あらかじめ録音しておいた音声情報『物件住所』『物件名称』を119番の通信指令室に伝えます。通話を終えると通信指令室から逆信が入ります。
火災通報装置
構成と設置基準
火災通報装置の構成
- 火災通報装置本体
- 火災通報装置用電話
- 連動停止スイッチ
火災通報装置本体は『自動火災報知設備』と『119番』をつなぐ制御装置になります。本体は予備バッテリーがついています。火災通報装置には『消防署と通話するための専用の電話機』『自動火災報知設備の連動を停止するための連動停止スイッチ』が接続されます。
参考記事:消防機関へ通報する火災報知設備の設置基準【火災通報装置】
実際に作動させてみた
大体のながれ
- 感知器に煙を入れる
- 連動停止装置に信号が入る
- 火災通報装置に信号が入る
- 火災通報装置から電話回線で消防署へ自動通話
- 消防署から火災通報装置へ逆信
- 赤い専用の電話機を取り消防署と通話する
という流れになりますので順にやってみます。
火災感知器に煙を入れる
煙感知器に試験用ガスを入れていきます。正常に煙が入り込むと数秒で火災警報を発します。この感知器は『特定小規模施設用火災感知器』で無線式のためそのまま連動用の信号を飛ばします。
連動を受け火災通報装置が働き『119番通報』を行います。通常の自動火災報知設備である場合は一旦火災受信機に信号が入り、移封信号で火災通報装置に送られます。
連動停止装置を経由して火災通報装置が起動
感知器が作動すると『連動停止装置』を経由してから火災通報装置へ信号が送られます。この連動停止装置は『ON』になっていれば、火災通報装置は連動せず作動しません。
火災感知器の点検のみで火災通報装置を連動させたくないときには、連動停止装置をON(連動しない)にしておくことで火災感知器のみの点検が可能です。今回はすべて連動させているので連動装置はそのままに。
火災通報装置から電話回線で消防署へ自動通話
火災通報装置が作動したら自動的に119番へ通報します。今回は試験機によるシミュレーションなので、試験機側に『119』と表示され、試験機に接続されている電話が鳴ります。そのまま試験機側の受話器を取ると、火災通報装置の自動音声が流れ『部件名称』『物件住所』と続き『逆信してください』というあらかじめプログラムしてある自動音声が流れます。
消防署側から火災通報装置へ逆信
音声警報が流れ終え消防署の司令センターへ情報が伝わったら、今度は司令センター側から逆信があります。逆信とは、かかってきた番号へ逆にかけ返すことです。火災通報装置に隣接する形で設置している専用電話『赤電話』に逆信が入ります。
赤い専用の電話機を取り消防署と通話する
司令センターから逆信が入ったら、火災通報装置に隣接して設置している専用電話『赤電話』の受話器を受けると司令センターと相互通話が可能になります。
火災時はパニックになり、情報をうまく伝えることが難しくなります。日頃から火災通報装置の操作方法や、機能を知り、安全に『避難』『消火』『通報』の消防活動を想定した訓練が必要です。
動画にまとめてみました
まとめ
- 火災通報装置の模擬試験を実施
- 部品構成は『火通本体』『専用電話機』『連動停止スイッチ』
- 感知器が作動すると火災通報装置が作動する
- 連動停止スイッチをONにすると火通は連動しない
- 火通が作動すると司令センターへ自動的に連絡
- あらかじめ録音している音声情報を司令センターへ伝達
- 司令センターから逆信が入る
- 赤い専用電話機が鳴り司令センターと通話をする
- 日頃から訓練が必要である