自動火災報知設備についての業務を行っていると時たま珍しい機器に出会うことがあります。火災感知器は熱式、煙式、炎式があります。この3つの種類から更にいくつもの種類に枝分かれしており非常に多数の方式の火災感知器が存在しています。
今回は煙式の光電式スポット型感知器【こうでんしスポットがた】の2種と3種が一体化した『2種3種』について書いていきたいと思います。ワタクシ管理人もこの業界はベテランと言っても過言ではないくらい一通りの現場を経験しています。その中でも非常なレアな感知器である2種3種があります。
光電式2種・3種とは
煙感知器は煙が感知器内に侵入し、煙が感知器内の光軸を反射させることで作動させる『光電式』が一般的となっています。この光電式感知器には1種・2種・3種があります。1.2.3は感度が違いになります。1から感度がよく、3は感度が鈍く設計されています。
通常の建造物に使用している煙感知器は光電2種を使用しています。では3種はというと、防火シャッターや防火扉または廊下通路などに使用します(廊下通路も2種を使用することが多い)。
2種3種を使用する場合はどのようなときか?
ではどのようなときに2種3種を使用するのかというと、2種と3種の機能を同時に使用するときで、近くに感知器を置くことでそれぞれの目的を達成できるといった場合です。
今回のケースでは竪穴区画に防火シャッターがあり、同時にフロアを警戒するための煙感知器が必要になります。防火シャッターは防火設備であるため建築設備であり消防設備でありません。そのため、火災感知器は防火シャッター用と、消防設備である火災感知器用に分ける必要があります。
2種3種は1台の火災感知器で上記の2つの機能を兼ね揃えています。煙が入り第1報で2種が作動します。そのまま煙が入り濃度が濃くなり第2報で3種が起動するといった仕組みです。防火シャッターには3種を使用します。
2種・3用種の端子は独立している
感知器には2種用と3種用の端子が独立しているのが特徴です。2種3種を工事するときに注意することは、他の感知器に信号線を送る場合にしっかりと2種と3種の信号線を確認し間違いなく電送することが必要になります。
と、非常に当たり前のことなので普段工事をされている消防設備士さんに笑われてしまうかもしれませんが、納期間際の突貫で、送り配線になれていないといった方の場合に接続ミスが起こりやすくなります。しっかりじっくり確認し、間違いなく施工することが重要になります。
※このブログは新米時の自分へ向けて書いているというモノでもあるため、決して貴重な時間を使ってこのブログを見てくださる方に言っているのではありません汗
1台でOKなので場所もコストも安くなる
2台分必要なところを1台で済んでしまうので、取り付ける天井部分もスッキリし、感知器代金も安く済みます。煙感知器2種は定価ベースで22,000円。3種は20,000円となっています。1台で済めばその分費用も安くなります。ただ設置できるかどうかは条件次第ということもあるので、設計を確認する必要があります。
まとめ
- 2種と3種が一体化した2信号式煙感知器がある
- 2種は消防設備、3種は防火設備用として使用
- 防火設備は消防設備ではなく建築設備
- 2台を1台でまかなえるため場所もコスト面もやさしい