『消火器はいろいろと種類があって、どれを選んでいいのかわかりません』 とよく聞かれます。種類はたくさんあるけれど実際はシンプルに業務用と家庭用の2.3種類の中からチョイスすればOKです。大変シンプルです。
弊社はいくつものビルを任せていただいており、消火器の管理・設置・交換を一任していただいております。ワタクシたちがストックし使用している消火器もシンプルに3種類ほどです。
実際に消火器は何がいいですか?と聞かれたら私はこう答えます。
業務用消火器 | 10型粉末消火器・3型強化液消火器 |
PC周り【電子機器】 |
3型純水ベース消火器 製品名:ピュアウォーター・クリーンミストなど |
家庭用消火器 | 家庭用強化液・粉末【強化液の製品が主流】 |
参考記事:サーバー室に適した純水ベースの消火器
蓄圧式(オススメ) | ・消火器本体内にあらかじめ圧力をかけてあるタイプ ・本体が腐食し穴が空いたら圧が逃げてく ・腐食し穴があいている場合は圧が抜けて使用できない |
加圧式 |
・消火器本体にあらかじめ圧力がかかっていない |
また、 また消火器には、加圧式・蓄圧式と2タイプのものがあります。現在の主流は蓄圧式です。 蓄圧式の〇〇消火器といった具合で選ぶとよいでしょう!
消火器は数多くの種類が製造されています。一般的な用途で使用するといった場合 (危険物施設のような特殊なケースではない場合) はとてもシンプルに消火器を選択することができます。
糸魚川大規模火災に伴い令和元年10月に施行された法令改正や自主的な防災意識の向上にて 消火器の出荷本数が年々増加ています。また消火器のラインナップは家庭用から業務用まで、小型から大型まで各メーカーによりさまざま製品が世に送り出されています。
消火器の種類選択について
消火器の適応性について
縦軸に火災の種類、横軸に消火器の種類を記した図を添付しました。なんとなくイメージを持っていただけるのではないでしょうか。
図のとおり火災の種類に応じで適応する消火器は当然ですが異なってきます。通常の『普通火災』の場合は『粉末・液体』が有効ですが、電気火災の場合は『霧状の液体・粉末』が有効になります。またアルカリ金属の過酸化物、鉄粉・金属粉、マグネシウムまたは、禁水性物品への消火は『液体系消火器』は使用できません。
とはいえ、特殊用途などの場合は専門業者さまがついていることと思いますので専門家に任せればいいかと思いますが、一派のユーザーさんはこの表を見ても??ということになると思います。なので今回は特殊な場合についてはふれません。
たくさんありますがややこしくなるので下段へ
一般的に業務用消火器といえばこの2つ
・10型粉末消火器 業務用
・3型強化液消火器 業務用
業務用の定義としては物販、事務所、飲食店、マンション、駅などの人が行きかうような場所で業務上しようするというものです。ガソリンスタンド、駐車場などの危険物があるような場所は除きます。あくまでも日常に生活するうえで出入りする場所をさします。また比較的多くの火器を使うスーパー銭湯やサウナもこの『10型粉末消火器』『3型強化液消火器』を使用しています。大変万能で使い勝手抜群であります。
『粉末10型』と『強化液3型』は消火器の代名詞といって過言であありません。この2つは一般的に出回っている消火器の王道でありますので、道行くありとあらゆる所に置いてあり、消火器のほとんどがこの2種類になると思います。特にこだわりがなくどれを選べばよかわからないといった場合はこの2つのどれかを選択すればよいかと思います。
10型は粉末消火器の王様
消火器の中でもぶっちぎりの出荷台数を誇るのがこの10型の粉末消火器です。迷ったらこの10型を買っておけば問題ありません。粉末は消火性能が抜群で消火器の目的である初期消火に大変効果があるユーティリティプレイヤーです。
10型消火器の一般的なスペック
薬剤量 | 3kg |
放射時間 | 約15秒 |
放射距離 | 3~6m |
粉末消火器のメリットとデメリット
メリット ・・・・消火性能が高く多用途で使用できる
デメリット・・・・掃除が大変
3型強化液消火器【一般強化液・純水】
3型強化液消火器は3リットルの強化液が容器に格納されている消火器です。この消火器は粉末ほどの消火性能はありませんが多用途に使用できる万能消火器です。大きな特徴としては液体のため粉末と比べ清掃が楽であるというところです。使用されているシーンは『飲食店の厨房』『サーバールーム』『オフィス』などです。消火器の種類がいくつかあり使用用途別に選択可能です。
シーン別の強化液の種類
飲食店厨房・食品関連 | 一般中性強化液・中性強化液(酢を原料としている) |
PCサーバールーム | 純水ベースの消火器(純水は電気を通さない) |
オフィス関連 | 一般中性強化液・中性強化液(人体にやさしい) |
飲食店厨房では油火災に強い強化液消火器が設置されていることが多いです。また飲食関連で安心して使える酢が原料になっている強化液消火器も出ているのでレギュラー強化液製品より若干価格は高いですがこのような製品を選ぶ方も多くいらっしゃいます。
PC関連のサーバールームでは純水を使用した強化液消火器が使用されています。なぜ水なのに電気関連で使えるのか??と聞かれることがありますが、純水は水と違い不純物が含まれていないため電気を通しませんそ。そのため、純水消火器を初期消火で使用しても乾いてしまえば大切なデータを復旧できるという可能性が非常に高いという利点があり大変需要があります。なのでPC、電機関連の消火には純水消火器を選択肢の候補の一つとしていただければよいのではないでしょうか。。
オフィスでは粉末も強化液も使用されています。粉末半分、強化液5半分という設置パターンをよく見ます。レギュラーで出ている強化液でも中性でも状況にあった製品を選択するとよいのかと思います。
消火器の価格
粉末消火器 < 一般の強化液消火器 < 中性、純水の消火器
強化液消火器のメリットデメリット
メリット ・・・・様々な種類があり清掃が簡単
デメリット・・・・消火性能が粉末より劣る
劣ると書いてしまいましたが初期消火における消火性能は十分あります。歴史あるメーカさんによる製造で国家検定も通っているものが市場に出ていますのでどれも信頼できる製品です。
住宅用・家庭用消火器
家庭用消火器は業務用に比べて小ぶりとなっています。粉末10型や強化液3型は家庭で使用されているケースもありますが、実際に女性や子供でも使用でき、収納しやすい仕様になっています。家庭用消火器は法令による設置ではないため自主的な設置になります。
※一部の共同住宅では消防法の特例措置が取られていて義務設置の場合があります。
家庭用消火器の薬剤について
家庭用消火器は粉末強化液どちらも販売されています。どちらかというと強化液が製品数は多いです。ワタクシも家庭用の場合は強化液を勧めています。理由は家庭用の場合キッチンからの出火を想定しており、油(てんぷら)の火消しに大変効果があるからです。また強化液は掃除が粉末に比べ清掃が容易という利点もありあます。
まとめ
- 通常使用の業務用は10型粉末がおすすめ
- 厨房は強化液がおすすめ、酢が原料となるの強化液もある
- PC関連は純水ベースの消火器がおすすめ
- 家庭用は強化液がおすすめ
- 業者さんが入っているような事業所は直接相談し購入することをお勧めします