消防設備設置の調査方法(テナント入居編)

消防設備設置の調査方法(テナント入居編)

現地調査いわゆる現調。建物がどのくらいの大きさで、収容人数がどれくらいなどなど、物件を事前に調べてどのような設備がどれだけ必要なのか、どのように施工していくかを調査します。

現地調査の内容

何を調査するか

現場工事の調査

事前に調査するに当たり下記について見ていきます

  • 現在設置されている設備チェック
  • 既存の設備が使えそうかチェック
  • 今後必要になる設備をチェック

になります。大抵の場合物件の大きさに応じて予め必要な消防設備が設置されていることがほとんどなので、設置されている設備を内装のレイアウトを消防法令通りに設備を設置していく作業になります。

現在設置されている設備をチェック

鉄鋼造に消防設備を設置

今回の物件は新築物件に美容室の新規工事を行います。なので新品の設備が設置されていました。既存の設備はそのまま使用可能です。その他今回物件で設置されている消防設備は下記のものでした。

  • 消火器
  • 避難器具
  • 誘導灯
  • 自動火災報知設備

よくあるシンプルな設備です。この4つの設備は2,000㎡よくある設備になります。2,000㎡を超えてくると

  • 屋内消火栓 (無窓階を除く)
  • 非常放送

また3,000㎡以上になってくるとスプリンクラーがついてくることもあります(無窓階を除く)。

既存の設備が使えそうかチェック

主流になりつつあるフラットの表示灯

先にも書いたように今回は新築物件のため既存の器具はすべて使用します。既存物件の場合は劣化、老朽化しているものや型式失効【法的に古くて使えないもの】しているものがあるのですべてチェックしていきます。※非特定用途の場合は型式失効でも使用できますが、製造より年月が経過しているため交換をおすすめしています。古い感知器は誤作動を起こしたりします。特に配線関係は被覆が固くなっていたり擦り切れている場合があるため交換したいところです。

今後必要になる設備をチェック

墨出しで非常ベルの位置をプロット

消防設備は建物の面積、有・無窓階や収容人数でどのような設備を設置していくのかが決まります。施工前に物件概要をチェックしもれがないよう確実に設計していきます。大抵の物件では使用する設備を想定して確認申請が通っているはずなのですが、事務所オンリー物件、共同住宅+事務所などの非特定用途物の一部を物販や飲食店などの特定用途で使用する場合は注意が必要になります。今まで必要のなかった消防設備をビル全体又は一部に追加しなくてはいけなくなる場合があります。

  • 延べ面積・床面積 
  • 有窓階・無窓階
  • 建物、入居部の収容人数

消火設備

主に消火器が何本必要か?スプリンクラー配管の太さに余裕はあるか?消火栓ボックスの移設が必要かどうか?を調べます。消火器は後からでも何とかなりますが、スプリンクラーや消火栓は先に配管工事をする必要があるため事前に確実に調べておきます。スプリンクラーは配管の径によって設置できるヘッドの個数が決まっています。消火栓はレイアウトに合わせて適正な場所に動かす必要があります。

避難設備 

避難設備は誘導灯と避難器具です。誘導灯は図面を見ればわかるので現地調査をしなくても設計が可能な場合が多いです。
避難器具は階ごとの収容人数によって変わってきます。共用部または、専有部にに避難器具の設置があればその避難器具でまかなえるか調べます。避難器具は非常警報と同様に収容人数で決まります。 避難器具の場合は階ごとに使用できる避難器が異なるためこのあたりもチェックします。

  • 避難ロープ【2階まで可】
  • 金属製折りたたみはしご【3階まで可】
  • 避難ハッチ、緩降機は3階以上で使用可能

特定一階段等防火対象物でバルコニーがない建物に避難器具を設置する場合は1動作式の避難器具の設置が義務になりますので注意が必要になります。

警報設備

警報設備は自動火災報知設備、非常警報設備(非常放送)になります。自動火災報知設備は面積【特定一階段防火対象物を除く】で設置が決まり、非常警報は収容人数で設置が決まります。なので、面積と収容人数を調べる必要があります。ですが、この辺の設備はビルにもともと備え付けてあることが多いのであるのもを増やしたり移動させたりします。まれに本当は必要だけどビルに全く設備が付いていないということがあるのでここだけを注意すれば大丈夫かな?と思います。

まとめ

消防設備は各設備ごとに設置地基準が異なるため事前にしっかりとした調査を行った後モレなく設計していくことが必須です。設計後は管轄消防署へ設計確認してください。

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