民泊対応のための非常灯を設置してみた【既存物件の改修工事と免除規定】

民泊対応のための非常灯を設置してみた【既存物件の改修工事と免除規定】

民泊に対応できるよう非常灯を設置してみた

民泊の非常照明

今回は非常照明についての記事です。先日某クライアントより共同住宅を民泊で使用するかもしれないので将来のために非常灯を設置しておきたいと依頼がありました。

民泊施設では非常灯の設置が不要になる条件がいくつもあります。そのため今回も不要なのではないかと考えていました。しかし、調査していくにつれ必要があることがわかり急遽施工対応させていただきました。

民泊の非常照明設置については国土交通省の「民泊安全措置の手引」にわかりやすく記載されていますが設置の注意点もあるため今回記事にさせていただきます。

非常照明が省略できる場合

「国土交通省」非常用照明装置の設置基準の合理化

平成30年に告示第1411号が改正され免除規定が設けられ、30㎡以下の居室で一定条件を満たす場合は非常照明の免除規定が追加されました。これらを踏まえて非常照明が免除できる場合について記します。

非常灯の設置を免除できる場合

1. 宿泊室の床面積の合計が50㎡以下かつ、家主が不在とならない(一時不在を除く)

2. 外気に開放された通路、宿泊室、避難経路以外の場所

3. 次の①②③すべて満たす場合
①避難階又は、避難階の直上階、直下階の居室
②採光に有効な開口部の面積の合計が居室の床面積の1/20
③・避難階→居室の各部分から屋外への出口に至る歩行距離が30m以下
 ・避難階の直上、直下階→居室の各部分から屋外への出口までの歩行距離が20m以下

4. 床面積が30㎡以下の居室で地上への出口を有するもの

5. 床面積が30㎡以下の居室で地上まで通ずる部分が次の①or②に該当するもの
 ①非常用の照明装置が設けられたもの
 ②採光上有効に直接外気に開放されたもの

国土交通省民泊の安全措置の手引きより
国土交通省民泊の安全措置の手引きより

上記の要件より設置が必要な場所、免除できる場所を洗い出し法令通りに非常照明を配置していきます。民泊で使用する物件は小規模物件が多いため、居室の床面積が30㎡以上の居室があるというケースは少ないかもしれません。

30㎡以下であれば非常灯を省略できますが、1つ注意することがあります。それは省略できるのは居室であり避難経路は免除できません。例えば、居室の前に前室があるような場合が当てはまります。

居室が30㎡以下でも非常照明が免除できない場合

例えばこのようの間取りの部屋があった場合は居室扱いになるため免除することができます。要件を確認する限り居室は30㎡以下であれば免除することができると書いてあるからです。次の間取りです。

屋外への出入口に前室があります。このような場合でも居室が30㎡以下の場合は非常灯の設置を免れることができますが、全室は居室に当たらないので非常照明を免除することができません。この場合前室は避難経路に該当します。よって非常灯の設置が必要になります。

次は2DKの間取りです。この場合でも考え方は同じで居室が30㎡以下であれば非常灯の設置は不要ですが、最終出口までの経路に非常灯の設置を要します。居室が30㎡であるから省略と直線的に考えてしまうとつい避難経路のことを忘れがちです。特にワンルームの場合などがあたります

その他、L字型の通路や扉の引き戸等扉の形状により様々あるので気をつける必要があります。

非常灯の設置個数について

パナソニックさんカタログより

非常灯が必要になった場合はどのように何個設置するかの設計が必要になります。設置個数については非常照明のカタログを確認します。普段弊社が使用しているパナソニックさんのカタログをお借りいたします。

非常灯は取り付ける天井高さにより有効半径が異なります。非常灯の表に書いてある数値が有効半径になります。設置が必要な場所を有効に包含できるよう設計する必要があります。

実際に設置してみた

非常灯は埋め込み型と露出型の2種類があります。既存物件の後付工事で施工するときはスペースがなく、照明器具を埋め込む難易度が高くなります。比較的天井の懐があれば埋め込むことも可能なので極力きれいに仕上がるよう施工しております。

非常灯は通常の照明器具と異なり常時100Vを受電しなければなりません。常時電源を受電することでバッテリーにエネルギーを蓄え非常時(100Vの受電が切れた停電時)にバッテリーに切り替わり室内を照らします。

通常の器具はスイッチに連動し、オンオフの切り替えで通電したりしなかったりしますが、非常灯の場合は常に電気を受電する必要があるため、ブレーカーやコンセント回路から電気を持ってくる必要があります。コンセント回路は壁の下部に配置することが一般的なので、通常よりも隠蔽配線を行うことが困難になります。そのような状況でも弊社はより配線を隠すように努力いたします。

参考記事:ホテル・旅館・民泊に必要な消防設備、防炎物品について解説

消防設備の設計施工承ります

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