避難器具は多種多様なモノが存在しています。その中でも都市部の雑居ビルで非常に設置台数がおおい『緩降機・かんこうき』があります。
避難器具は設置する階により使用できる種類について制限がかけられています。例を上げてみると、避難ロープの場合は2階まで、吊り下げ式の避難はしごは3階まで使用することができます。
4階以上はどうなるのか??という問の答えがこの『緩降機』になります。緩降機にもいくつかの種類があります。例えば、
床置き式 | 床にアンカーで打ち込む |
壁掛け式 | 壁にアンカーで打ち込む |
1動作式 |
床にアンカーで打ち込む |
横倒し式 |
床にアンカーで打ち込む |
床据え置き コンクリート等 |
屋外で防水処理をしてるような場所に設置 |
それぞれの特徴があります。なぜいろいろな種類が存在しているのかというと、建物に設置する場所の条件が物件ごとに異なるため、それぞれ設置に際して都合が良いものを選択できるようメーカーさんが頑張って作っていくれているからです。
横倒し式のメリット
横倒し式緩降機の最大の特徴は、開口部を開けるとき、開口部と台座がぶつからず、床に寝かせて収納できるという点です。床置き式のタイプでは本体が直立したままの状態で設置するため、場所によっては開口部を開くときに本体に緩衝してしますということがあります。横倒し式ではそのようなことはありません。
固定は通常の緩降機と同様のアンカーを使用
施工は金属アンカー4本を打ち込む施工法です。施工に関して言えばその他の緩降機と同様の方法です。今回はタイルが乗っかっていたので表面をカットし躯体をむき出しにしてからハンマードリルで開口をあけていきます。
4本躯体に孔が空きましたら孔にたまったチリを取り除き、金属アンカーを4本打ち込んで行きます。アンカーの種類や施工方法にも施工基準が定められており、それらに則って施工していきます。ざっくり例をあげてみますと、
使用できるアンカーの径 | M10以上 |
アンカーボルトの種類 | 増し締めができるオネジ式のもの |
アンカー相互の距離 | アンカー埋め込み深さの3.5倍以上 |
アンカーのへりあき寸法 | アンカー埋め込み深さの2倍以上 |
展開してみると
実際に展開してみると通常の直立型と大差ありません。ただ直立型のものでは開口部を開くときに本体と緩衝してしまうことがあるので、今回のような現場では横倒し式が適していると言えます。
既存物件に施工する場合は非常に施工条件が絞られてしまうので、このような装置は設置する業者の立場からも大変重宝しありがたい限りです。
まとめ
- 4階以上の階では吊り下げはしごが使えない
- そのため緩降機を設置することになった
- 開口部と本体が緩衝するため横倒し式を選択
- 施工は通常タイプと同じ金属アンカーを使用
- 緩降機の使用方法は他タイプと同じ
- 既存物件の改修工事は施工条件が厳しいため大変重宝した