天井裏に火災感知器が必要な場合とは【建物の構造と天井内部寸法の関係】

天井裏に火災感知器が必要な場合とは【建物の構造と天井内部寸法の関係】

天井裏は火災感知器が必要な場合と、そうでない場合があります。必用になる場合は建物の構造が耐火構造でなく、天井裏の高さが500mm以上あるときです。

天井裏に火災感知器が必要になった場合は簡単に点検ができるよう『点検口』を設け、点検口を開けると火災感知器が確認できるように設置します。火災感知器には警戒できる感知面積が設けられています。例えば熱感知器(差動式)の場合は天井高さ4m未満で70㎡まで警戒できます。これが天井裏になると40㎡と減少してしまいます。

火災感知器は耐火・非耐火構造によって警戒できる面積が異なります。天井裏に設置することが必用な要件として耐火構造以外で天井裏高が500mm以上とあります。天井裏の感知器は耐火構造以外で設置することになるため、通常よりも少ない感知面積で設計設置する必要があるのです。

天井裏に感知器を

建物が耐火構造である場合は天井裏に火災感知器を設計・設置しなくてもOKです。耐火構造は簡単に言うと鉄筋コンクリート造や鉄骨造で、鉄骨を耐火被覆しているような場合です。このような構造であれば天井裏の感知器は不要になります。

耐火被覆がない鉄骨造(登記で準耐火となっている場合)や木造の場合で天井高が500mm以上ある場合は天井裏に火災感知器の設置が必要になります。

通常の警戒基準面積よりも少ない面積

非耐火構造の天井裏
非耐火構造の天井裏(木造) 500mm以上の高さがある場合は感知器が必要

天井裏に火災感知器を設置する場合は通常設置よりも警戒できる面積が少なくなります。火災感知器には設置する天井高さごとに感知面積が設けられています。また、耐火、非耐火によって感知面積が異なります。設置する際はこの辺りの基準を確認しておく必要があります。

種別 4m未満の高さに設置する場合 耐火構造 耐火以外
熱感知器 差動式スポット型 2種 70㎡ 40㎡
熱感知器 定温式スポット型 特種 70㎡ 40㎡
熱感知器 定温式スポット型 1種 60㎡ 30㎡
煙感知器 光電式スポット型 2種 150㎡ 150㎡

鉄骨造でも耐火構造となる場合がある

鉄骨造に耐火被覆
鉄骨造に耐火被覆をすることで耐火構造となる場合がある

鉄骨造で建てられたものは基本的には準耐火構造となります。なので、もし天井裏があって、フトコロが500mm以上あれば火災感知器が必要になります。

鉄骨造でも耐火構造となる場合があります。梁や柱に耐火被覆をしている場合で一定条件の耐火性能が認められるような物件では、耐火建築物となります。耐火構造には天井裏感知器は不要になるので感知器を設置する必要がありません。

耐火構造かそうでないかは、図面や登記簿を確認していただくと良いかと思います。※画像の耐火被覆はアスベストではありません

鉄骨に耐火被覆がない場合
鉄骨に耐火被覆がない場合は鉄骨がむき出しに

耐火被覆がない場合は鉄骨がむき出しになっています。このような場合は天井裏に感知器を設ける必要が出てきます。

天井裏の感知器は点検ができるようにする

点検口画像
天井裏の感知器付近には点検口を設ける

天井裏に感知器を設けたら定期点検でメンテナンスの必要性が出てきます。そのために点検口を設け容易にチェックできる必要があります。もしも天井裏の感知器が誤作動を起こすと非常に面倒なことになります。そのため天井裏の感知器はメンテナンスできるような場所に設置する必要があります。

まとめ

  • 天井裏の感知器が必要になる場合がある
  • 耐火構造の場合は不要である
  • 耐火構造以外で天井裏の高さが500mm以上ある場合は必要
  • 感知器の感知面積が小さくなる(耐火構造以外の基準を適用)
  • 鉄骨造でも耐火構造となる場合がある
  • 天井裏の感知器は点検口を設け、メンテナンスを容易にする必要がある

参考:消防法施行規則 自動火災報知設備の設置基準

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