火災受信機を停止しないで工事したらどうなるか?【いくつか想定できることを書いてみた】

火災受信機を停止しないで工事したらどうなるか?【いくつか想定できることを書いてみた】

管理室に各種消防設備の制御盤が設置されていることがあります。もしワタクシたちが現場に伺い、各種消防設備の機能を停止できないことになったら、残念ですが撤収し出直すことになります。せっかく来たので少しでも作業を、、という気持ちはありますが、後々のことを想定するとどうしても作業することはできません。

消防設備は火災報知設備、屋内消火栓、スプリンクラー、防火設備など様々な種類があります。ほとんどの消防設備は火災報知設備の火災受信機と接続され連携をとっています。

もしも機能を停止させることなく施工し、間違いが起こってしまった場合、ベル・サイレンが鳴ったり、防火シャッター・防火扉が作動したり、消火栓ポンプが起動してしまうということが起こります。

また、消防署へ自動通報する『火災通報装置』が設置されているような場合は自動的に消防車がやってきてしまいます。なので必ず停止して保守点検や施工する必用があります。

想定できる様々な不吉なこと

各種消防設備は火災受信機という制御盤が行っています。主に自動火災報知設備を制御している機械になります。この機械は火災感知器以外に『放送設備』『防火設備関係』『消火設備関係』『消防署への自動通報機』『警備会社への連動』『エレベータ停止』などと連携しています。

消防署へ自動通報する『火災通報装置』が接続されている場合は消防車がやってきます。また、営業中のカラオケや・個室ビデオボックスの音響が、強制停止になることがあります。

自動火災報知設備・非常放送の警報関連

火災受信機にて発報

警報設備関連では、真っ先にベルやサイレンが作動することになるでしょう。ビル、建物内が混乱状態になります。火災発報と同時に鍵が開くシステムを導入している場合はすぐ止めることができますが、そうでない場合はもはやどうすることもできません。

防火・排煙設備関連

防火シャッター
防火シャッター

防火設備は防火シャッター・防火扉・ダンパー、又は排煙設備などです。防火シャッターは防火区画を形成し、排煙設備は煙を屋外に吐き出します。このような設備が作動してしまった場合は、火災受信機や防火設備の連動制御盤で復旧操作を行ったあとでないと元通りにすることができません。

消火設備

消火栓ポンプ
消火栓ポンプ

消火設備は屋内消火栓やスプリンクラー又はガス系消火設備が該当します。消火設備で多いのが、消火栓ポンプが起動してしまうということです。消火栓ポンプは自動火災報知の配線系統を使用していることから、もしも配線を切ってしまったり、何らかのトラブルが起こってしまったらポンプが起動してしまうことがあります。

スプリンクラー、泡消火やガス系があるような施設は比較的面積も大きく防災センターがあったりするので制御盤を止めずに施工という方が難しいかもしれません。。

火災通報装置

火災通報装置画像
火災通報装置

火災通報装置は消防署へ自動通報する消防設備になります。火災感知器が作動したらそのまま連動起動し消防署へ自動的に電話回線を使用し通報します。そうなってしまうと間違いなく消防車が複数台大きなサイレンを鳴らしながらやってきます。

施工時に起動停止をしなかったことが発覚したらどうなることか、、、これ以上の想像はやめておきます。

その他の連動関連

その他、起こることは、エレベータが停止して消防設備が復旧するまで使用できなくなります。管理室に鍵がかかりっぱなしの場合は解錠するまで火災受信機の復旧操作ができずELVは止まりっぱなしになってしまいます。

その他、テナントに直接影響を与えてしまうというケースがあります。カラオケ店舗、個室ビデオボックスなどの音響設備を使用しているような用途では、自動火災報知設備・非常放送設備の作動と同時に、その音響が一斉にカットします。これはカットリレーという仕組みで、火災受信機及び非常放送設備を復旧しなければ元に戻すことができません。

まとめ

  • 消防設備を触るときには各種制御盤の機能を停止させる必要がある
  • 停止させずに作業を行うと各種トラブルが起こる
  • 消防設備作動時に管理室の鍵が開く仕組みは有効である
  • 鍵を解錠できないままだと一向に復旧できない
  • 消防署へ自動通報する消防設備がある
  • 消防設備作動時はELVが使用できない
  • 音響設備が一斉に停止する

参考:消防法施行規則 非常放送カットリレー工事で注意すること

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