誘導灯はグレードの高い順にA、B、C級があります。その他誘導灯には、客席誘導灯、階段通路誘導がありますが今回は通常の誘導灯をテーマとするため客席、階段通路の2つは除外します。
誘導灯の設置基準では、B級でなければならないという『等級指定の設置基準』はありません。B級以上の誘導灯が必要である、という場合にA級とB級が使用可能となります。AとBの違いは、表示面の寸法がAが大きく、表示面が明るくなります。そのため、A級誘導灯を設置する場合、Bを設置するよりも少ない個数になります。
誘導灯は等級により歩行距離が異なります。例えばA級避難口誘導灯は『避難口誘導灯60mに1台』通路誘導灯は『歩行距離40mに1台』設置が必要になります。
A級誘導灯は非常に高価です。ですがB級、C級を使用すると数が多くなり施工費がかさみます。最適な設計で、グッドプライスへ落とし込むことが求められます。
A級誘導灯について
誘導灯のグレード
誘導灯にはA級B級C級の3グレードがあります。日頃私達が使用している駅、百貨店、飲食店などに設置されている誘導灯は、B級やC級がほとんどです。駅や百貨店などは最終出口にA級があったりします。
誘導灯はABC級どの等級を使用してください、といった基準はなく、C級以上が設置できる、またはB級以上を設置する必要があるという基準になっています。なので、すべてA級を設置することも可能になります。
誘導灯のグレードは、高い方からABCとなります。Aに行くほど大きく、明るく、Cに寄るほどその逆になります。グレードが高ければ設計距離が多く取れるというメリットがあります。
歩行距離について
A級 |
B級 | C級 | |
避難口誘導灯 | 60m | 30m | 15m |
通路誘導灯 | 20m | 15m | 10m |
備考 |
大きい |
コンパクト リーズナブル |
よりコンパクト リーズナブル |
誘導灯は歩行距離を基準に設計します。A級を避難口上に設置する場合、歩行距離60mまでであれば1台で済みます。これをA級の代わりにB級を設置したとしたら、B級避難口誘導灯1台+通路誘導灯2台の合計3台の設置が必要になります。
体育館やアリーナ、見本市会場のようなだだっ広い場所であれば遠くを見渡せるため、A級誘導灯の設置は大変有効であると考えます。
バランス良く設計する
実際の所、A級を出口に設置することで完了!というような物件はかなりレアです。間仕切り壁やデザインなどにより、遠くを見渡すことが困難な場合はB級C級をうまく組み合わせ最適解を探っていきます。
A級と違い、B級、C級はそれほど価格差が無く、C級をいくつも設置するよりもB級を使用し数を減らすことがトータルでよい場合があります。その辺りは設計者次第になりますが、無理なくしっかりと安全が担保されるよう設計することが求められます。