新型コロナウィルスの出現により世界各国さまざまな業界・業種でリモートワークシフトが急ピッチで行われています。
2020年幻となってしまった東京オリンピック対策として以前からチラホラ聞こえてきた在宅勤務やテレワークといった言葉も今では全く違う形で浸透し市民権を得ることになりました。
そこで一気に有名になったビデオ会話が可能な『Zoom』、チャットツールの『Slack』『Chatwork』などなど、登録者数がうなぎ登りであるとのことです。
われわれの消防設備業(消防機器販売業)は大きなカテゴリーでは建築業界に属しております。また建築業界はIT化が遅れていると言われております。巷では未だにFAX使っているの??なんて揶揄されていたりします。
チャットが主流となっている今日ではEメールすらオワコンといわれるようになり、時代遅れという風潮がでてきました。時代の流れは大変早いものでありますがしっかりと世の中の流れに対応し変化し続けることが大変重要であるということを切に感じております。
オンライン点検が可能な条件
さて、オンラインで消防設備点検が可能な条件について書いていくことにします。消防設備は専門的であり専門の資格が必要であったりしますがオンラインで実施する方法がないわけではありません。
オーナーサイドが自ら点検する場合
私たち消防設備業は現場にうかがう作業がメインとなります。なのでテレワークとはかけ離れた業種であることは分かりきっていますが、せっかくなので頭を捻って考えてみた結果『オンライン消防設備点検』ができる条件があったので記事にしてみました。
消防設備点検は『消防設備士』または『消防設備点検資格者』などの有資格者に点検をさせることになっています。ただしそれには条件がありまして『延べ面積1000㎡以上の防火対象物』の防火対象物に限られます。
1,000㎡未満の場合は消防設備士や消防設備点検資格者でなくても点検してよいということが条文に書かれています。
第十七条の三の三
第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。
消防法第17条3の3
2 法第十七条の三の三の消防用設備等又は特殊消防用設備等について消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検をさせなければならない防火対象物は、次に掲げる防火対象物とする。
一 別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項、(九)項イ、(十六)項イ、(十六の二)項及び(十六の三)項に掲げる防火対象物で、延べ面積が千平方メートル以上のもの
二 別表第一(五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項から(十五)項まで、(十六)項ロ、(十七)項及び(十八)項に掲げる防火対象物で、延べ面積が千平方メートル以上のもののうち、消防長又は消防署長が火災予防上必要があると認めて指定するもの
三 前二号に掲げるもののほか、別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項又は(九)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が避難階以外の階に存する防火対象物で、当該避難階以外の階から避難階又は地上に直通する階段が二(当該階段が屋外に設けられ、又は総務省令で定める避難上有効な構造を有する場合にあつては、一)以上設けられていないもの
消防法施行令第36条2項
上の条文をまとめると
以下の建物は有資格者による点検を実施すること
- 延べ面積 1,000㎡以上の特定防火対象物
- 延べ面積 1,000㎡以上の非特定防火対象で消防署長が指定するもの
- 特定一階段等防火対象物
それ以外は
- 自ら点検をし点検結果を報告することができる
つまり1,000㎡未満の物件と、特定一階段等防火対象物以外の場合は有資格者でなくても『自ら』点検をすればOKということになるのです。
しかし現実はというと・・・
1,000㎡未満の有資格者以外の点検の現実
消防設備点検にはさまざまな点検項目があり、いろいろな機器や器具を使用します。このような機器はおそらくワタクシたちのような消防設備業者でなければ使用することがないため、自らの点検のために高額をはたいて購入するということは微妙なのかな?と思います。
また、自ら機器を持っていたとしても消防に関する業務は生命に関わり責任を伴うので毎日業務を行っている専門の業者へ委託することが望ましいと考えます。
点検器具が必要ないものがある
- 消火器
- 蓄光式以外の誘導標識
消防設備に多種類が存在しますが、その中でも『消火器』や『蓄光式以外の誘導標識』は点検器具が必要ありません。
※消火器の機能点検を実施する場合は必要(消防設備士乙種6類が必要)
なので消火器と誘導標識については点検要項さえ押さえておけば自ら点検することができます。
でも、少し心配だな・・・という方のために弊社ではオンラインによる点検サービスを実施いたします。オンラインで繋ぎムービーや画像をチャットで送っていただければ弊社で報告書を作成したりすることが可能す。これで一安心でございます。
もう一つのパターン
有資格者であるが経験値が浅い場合
資格者であるがまだまだまだ業界が浅く経験が少ない場合。先輩が意地悪でなんにも教えてくれなくて一人で現場に行かされて心細いなぁ、という場合もあることでしょう。
そんな方々のためにオンラインで繋ぐことでアレやコレやリモートアシスタンスすることができます。間違いなく心の支えになることでしょう。また個人契約も可能です。サブスクリプションの設定もございますので月々のお支払いでOKであります。
経験豊富なスタッフが端末前でお待ちしております。
しかし、経験の浅い作業員を送り込まれたお客様側からすると厳しくお叱りを受け結果的に最後の点検になってしまうかもしれませんね・・・・
ご利用は計画的に。。。。
まとめ
- 消防設備点検で資格者でなくてもよい場合がある
- 1,000㎡未満の場合は自ら点検が可能 (特定一階段等防火対象物を除く)
- 消火器外観点検と誘導標識(無蓄光)は点検器具が不要
- 現場からオンラインのでの相談業務が可能である
- ご利用は計画的に