動力消防ポンプの操作方法

動力消防ポンプの操作方法

今回は動力消防ポンプの操作方法について書いていきます。消防ポンプ自体は様々なメーカーが製造していることと思います。今回は弊社で取り扱っているものになってしまいますが、操作方法の一例としてご紹介させていただきます。

給水管をつなぐ

ポンプ側の給水継ぎ手に接続
受水槽側の接続

水源から消防ポンプへ給水するための水を送ります。この給水管はあらかじめ配管接続している場合がありますのでその場合はこの作業は省略となります。今回の現場はフレキシブル給水管で水源-ポンプ間を接続します。しっかりと接続しておかないと継ぎ手の隙間から水が漏れてしまうので注意が必要です。また、継ぎ手内のゴムパッキンが劣化してる場合も同様に漏れの原因となるので要チェックです。

吐出側にホース、ノズルを接続する

吐出側にホースを差し込む

次にポンプの吐出側にホースとノズルを接続します。この接続作業が完了したら放水に必要なセッティングはOKとなります。もう一度各部分の接続を確認し漏れが無いようにチェックしていきます。

余談ですがホースには差込式(マチノ式)と、ねじ式があります。差込式とねじ式どちらを使ってもいいというわけではなく、管轄消防署や自治体によって使っているものが異なることがあります。

ポンプ操作編

給水管、吐出ホース、ノズルの接続が完了したらポンプ本体の操作をしていきます。操作の順序は

  • 燃料コックを開ける
  • スロットルダイヤルを始動位置に
  • エンジンを始動
  • 給水レバーを引き給水
  • 給水完了後放水弁を開放
  • スロットルダイヤルで圧力を調整

燃料コックを開ける

燃料コックを開く(レバーを立てに下げる)

燃料コックを開きます。日頃からエンジンをかけたりする場合は燃料コックを開きっぱなしでもよいのですが、長期間使用せずに保管する場合は、保管時に燃料の供給を停止している場合がありますので、その場合には燃料コックを開放しエンジン内に燃料を送り込みます。

コックを開けばホースを伝ってすぐエンジン内に供給されます。

次にエンジンを起動するための操作を行います。メインスイッチを運転モードにあわせ、スロットルレバーを始動の位置まで回転させます。この状態でエンジンをスタートすることができます。

エンジンの起動方法は下記の2通りです。

  • セルスタートさせて始動する
  • リコイルスターターを使って手動起動する

エンジンはメインスイッチを始動側に入れるとセルモーターが働きそのままエンジンが点火されます。最初はかかりにくいこともありますが、数回トライしてみてください。

動力消防ポンプ
リコイルスターター

次にリコイルスターターを使って起動する場合です。
リコイルスターターは手動によるエンジン点火方法になり、エンジン部に設置されている起動用の紐を引っ張り、直接エンジンを回転させる始動させる方法です。この操作は少しコツと力が必要になります。

画像の紐をうまく引っ張ることができればエンジンを点火させることができます。ただ、少し力が必要になります。通常この手の紐を引っ張るときに、大半の方が腕の筋肉だけを使って引っ張ろうとします。腕の力だけではうまく動力をエンジンに伝えることができません。

なのでコツとしては、少し半身になり紐を掴み背中の筋肉を使って一気に引き上げます。背中の筋肉(広背筋)は腕の筋肉よりも大きいためより大きな力をエンジンに伝えることができ、かかりやすくなることでしょう。

給水レバーを引きポンプまで給水する

放水ハンドル
給水レバーをダウン

給水レバーを引くことで水槽からポンプ間まで水を引っ張ることができます。この給水レバーは跳ね返り式になっていて、レバーを聞くと吐出側に水が流れずにそのままポンプについている排水管へ流れます。水抜きバルブのような役割も兼ねています。

受水槽バルブ
受水槽のバルブは開放

この給水作業をするときに注意しないといけないのは、受水槽側のバルブが開いていなければいけません。いくら給水ハンドルを操作しても水槽バルブが閉じてしまっていては一向に水はでてきませんので。。

ポンプに水が入ったらいよいよ放水操作

放水ハンドル
3段階式の放水バルブ

放水の操作は放水バルブで行います。このポンプは【閉・半開・開】の3段式のバルブ機構になっています。閉から一気に開放になると、急激に圧力がかかりホースやノズルが暴れだすため危険です。段階を踏み徐々に操作することで安全に操作することができます。

バルブ全開
放水バルブ全開

これで吐出側バルブが開きホース、放水ノズルへ水を送り込むことができました。あとはノズルをしっかりと持ち消火活動を開始します。

ノズルについて

放水ノズル
可変式の消火ノズル

ノズルはアルミニウム合金の可変式のタイプであります。閉止状態~直状~可変噴霧放射で消火活動を行うことができます。噴霧角は60°・90°・120°まで様々な状況に応じて使用できます。

霧状で使用する場合は『冷却・窒息・消煙』効果が期待できます。

まとめ

  • ポンプ、水槽間に給水管をつなぐ
  • 吐出側にホース・ノズルをつなぐ
  • 燃料コックを開く
  • スロットルダイヤルを始動位置に
  • エンジンを始動【セル又は手動】
  • 給水レバーで水を引く
  • 放水弁を開放
  • スロットルダイヤルで圧力を操作
  • ノズルは可変式で直状~噴霧状まで可能

Blogカテゴリの最新記事