火災感知器が未設置だったので取り付けてきた!!【消防設備点検にて発覚】

火災感知器が未設置だったので取り付けてきた!!【消防設備点検にて発覚】

今回の依頼は「火災感知器の未警戒工事」です。未警戒とは、何らかの理由により自動火災報知の感知部分である火災感知器が取り付けられていないことをいいます。

火災感知器の設置基準は明確に定められており、その基準に準じて設置されていなければ不良判定となり適正な方法で再度取り付ける必要がありまあす。

このような火災感知器の取り付けに関する不良が発覚するのは「消防設備の法定点検」があるからです。消防設備の法定点検は通常、6ヶ月に1回行われ年間2回実施されます。設備点検についての根拠は消防法第17条の3の3となります。

法定点検の根拠

第十七条第一項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第八条の二の二第一項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。

点検の回数については平成16年5月31日消防庁告示第9号に記載

E-GOV:消防法17条の3の3

もし何らかの理由で消防設備が設置されなかった場合でも、建物の消防設備点検にてチェックが入り不具合がわかるということになります。

よくあるケース

今までの経験上、今回のような相談は何回もありました。理由で多かったのは「内装施工業者がよくわかっていなかった」「予算がないから消防設備が放置された」「内装業者が消防設備業者を手配し忘れた」といったと感じです。

テナント工事の依頼主は内装業者に対して当然瑕疵なく仕上げてくれるものという期待はあることでしょうが、現実はいろいろなケースがあるのですべてが完璧に仕上がるということでもありません。そのような場合は今回のようなことが起こってから弊社にお話がやってきます。

弊社は隠蔽配線対するこだわりがあることをブログのあちこちに書いているのでわりかしこの手の相談は多いほうかと思います。非常に嬉しい限りです。

点検口があればラッキーなければコツコツ地道に

隠蔽工事は配線ルート探しに時間をかければなんとかなることが多く、駆体などの構造でどうしても隠蔽ができない場合はその他の方法で配線をわかりくくします。配線作業は天井に点検口があれば非常にスムーズな工事が実現します。

点検口の設置個数は施工する業者によってマチマチなので数多く設置する業者もあれば、全く設置しない業者もいます。デザインや施工技術を重視すると点検口は少なくなる傾向にあり、メンテナンス性を重視すればあらゆるところに設置されます。

今回の店舗はデザインと施工がしっかりされており、点検口は1箇所のみでした。点検口がない場合はダウンライトを取り外しその開口部から線を通していきます。我々消防設備業者は通常 直径0.9mmの動線が4本入っている「AE線」「OP線」を使用しています。

これらの線は電気配線100Vや200Vで使用する使用するエフケーブルと異なり非常に軽く柔軟性があるため配線がしやすいというのが特徴です。サイズが小さい分ダウンライトの開口部からでもラクラク配線を通すことができます。

ダウンライトの直径は100mm弱ほどで、100あれば一般的な男性の手くらいは入ります。注意することは天井にグラスウールがある場合で、無理やり配線をするとグラスウールがひっくり返ってしまうことです。ひっくり返ると室内の保温性能や防音性能が低下するおそれがあります。ここは注意しながら慎重に行います。

感知器5個増設して3時間ほどで終了できた

このような工事が得意ということもありますが、施主さんが当日店舗の営業を一時ストップしてくださったため、配線と感知器の取り付けで3時間程と比較的早い作業時間完了できました。営業を止めずに施工することは可能ですが更に追加で1時間はかかってしまったと思います。非常に助かりました。

設置工事完了後は管轄の消防署へ自動火災報知設備の「設置届」を届出する義務があります。この届出は工事完了後4日以内に行う必要があります。この届出を行うと消防署が現地検査にやってきます。

テナント工事で内装工事に必要な部材などを記す「防火対象物使用開始届」が届けられていない場合はこちらについても届け出るように命じられます。いろいろとやることが多いので、内装工事を予定している施主の皆様は消防関連についての詳細を内装業者様とよく打ち合わせすることをおすすめいたします。

まとめ

・内装工事に消防設備工事が入っていないと未警戒となる
・消防設備の法定点検で未設置が発覚する
・消防査察でも発覚することがある
・いずれにせよ設置工事が必要になる
・設置工事後は届出が必要になる
・物件によっては完了検査が必要になる

参考記事:火災報知器の誤作動原因一覧

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