今回は火災受信機の『電話』について書いていきます。電話機は火災受信機で『P型1級受信機』『R型受信機』に内蔵されている機能です。『P型2級受信機』には備えられておりません。
受信機の種類をざっくり説明すると
P型1級受信機 | 比較的大きな物件に使用する |
P型2級受信機 | 5回線以下の小さい物件で使用する受信機 |
R型受信機 | P型1級と同じような用途で使用する、P1の高性能版 |
P型のPは【Proprietary】所有の、専有のという意味があります。このP型受信機には『1級と2級』があります。今回のテーマである電話は1級に備えられている設備になります。P型1級とR型は伝送方式が異なりますが、設備的な機能は同等になります。
通話は発信機~火災受信機間で可能
P型1級(他回線式)受信機やR型受信機には、『発信機~火災受信機間』で通話するための装置を設けることになっています。通話は専用の電話機を使用し、発信機用、受信機用の2台を『火災受信機の周辺』に備えます。(※最近の火災受信機では、受信機自体にマイク、スピーカーが内蔵されているものがあり、受信機側の電話機を省略している製品があります。)
通話装置の必要性
電話機は、管理室や防災センターで、火災信号を受信した場合の現場確認時、通話装置を現地の発信機に差し込めば受信機に待機しているスタッフと通話による状況確認が可能になります。今では通信方法が多様化されていますため、現地確認はこの通話装置を使用せず携帯電話などで行うことがあるでしょう。
電話や無線、ネット回線を使用した通信技術が発達してきました。これらの通信方法では、停電、電波・通信障害、何らかのトラブルで機器が使用できなくなることが想定されます。このような場合でも、自動火災報知設備のシステム上の通信機能を使用すれば、予備電源がある限り障害に関係なく使用可能になります。
発信機に通話装置を差し火災受信機に信号を送る
発信機側に電話機を差し込むと、火災受信機の『電話表示』と『音響装置』が働きます。火災受信機のジャックに電話機を差し込むと、音響装置が止まり、発信機~受信機間での相互通話が可能になります。
画像の火災受信機は『P型1級5回線』という装置です。今回のように警戒区域を5回線で使用する場合は『P型2級』を選択します。この物件では何故かP型1級5回線が設置されていました。。。
一応、決まりでは、多回線のP型1級以外は『通話装置』を設ける必要があります。多回線とは2回線以上のもので、もしもP型1級の1回線受信機を設置するという場合では『通話装置』は不要になりますが、実際このような製品はないので、P型1級以外に電話機能は装備されていないと覚えておけば良いでしょう。
発信機~受信機間の通話動画
一連の流れを動画にしてみましたので参考にしていただければ幸いです。
まとめ
- 発信機~受信機間で通話装置を使用できる
- 発信機側に電話を差せば受信機が作動する
- 受信機側に電話を差し通話可能になる
- P型1級受信機(多回線)に、この電話機能が備えられている