ダクト・フード内消火設備のほか設備との連携配線について

ダクト・フード内消火設備のほか設備との連携配線について

弊社は店舗改装工事を数多くこなしております。そのなかで、ダクト・フード内消火設備を設置するケースがたまに発生します。よくある質疑項目で、消火設備と他の設備を連携するための配線構成はどうするか?を工事のたびに聞かれるので、この記事を書き今後はこのURLを転送していこうと思います。

フード消火設備から移報信号を送る

フード消火配線連携図

フード消火設備は『フード消火制御盤』を軸に他設備と連携し、消火装置が作動した際、安全確実に消火活動ができるよう移報を飛ばします。

移報先

  • ファンを停止させるための『ファン停止リレー』
  • ガス供給を遮断するための『ガス遮断弁』
  • 消火設備が作動したことを確認する『火災受信機または表示機』

この3つの移報先へ信号を飛ばします。飲食店さんや飲食物販売店舗さんなどで、自主的に設置をする『自主設置』の場合ですと火災受信機または、消火設備が作動した事がわかる表示機に信号を送らずに工事を完結させることもあります。表示を飛ばすかどうかは消防署との協議が必要になるので、必ず担当消防官と打ち合わせしておく必要があります。

ファン停止リレー

ファン停止リレー
リレーイメージ画像

ファン停止は排気ファンを停止させるためのリレーです。厨房で火災が発生し、消火設備が作動した際に排気ファンが回ってしまったままでは火や煙が勢いよく外の区画に飛び出してしまうため、ファンを強制的に停止させることが必要になります。

ファンを停止させるためには分電盤で強制的に空調機の電源をオフにするためにリレーが組まれており、このリレーに消火設備制御盤から信号線を送り込みます。信号線は0.9や1.2ミリといった配線を2本使用します。

ガス遮断弁

ガス遮断弁
ガス遮断弁

ガス遮断弁は、厨房機器に接続されているガス管の大元に設置されています。ファンと同様に、火災が発生した際、厨房器具にガスを送り込んでしまうと火災を大きくしてしまいます。そのため、消火設備が作動した場合に強制的にガスの大元であるガス遮断弁に信号を送り強制停止をかけることになります。

ガス遮断弁への移封配線も0.9や1.2ミリの信号線を2本使用します。ガス遮断弁から停止用の配線が出ているのでこの線と信号線をガッチリ接続します。

火災受信機

自火報の画像

フード消火設備が作動したら作動したことが分かるように『火災受信機』に信号を送ります。火災受信機はビルの火災関連信号を一括で制御している制御盤です。この制御盤は共用設備になるため、管理室や共用部に設置されています。現場から離れた場所に待機している管理人さんが、消火設備が作動したことを表示や警報音で確認できるため、素早い対処が可能になります。

フード消火設備から火災受信機に送られる信号は、『火災が発生した』というものではなく『消火設備が作動した』というものであるため、火災を周知させるための非常ベルや火災放送サイレンを鳴らしません(現場によってはそうでない場合もある)。フード消火設備の近くに火災感知器が取り付けてあるため、ベル・サイレンはこちらの感知器が作動した際に鳴動することが一般的です。

※フード消火設備が作動した場合でもベルやサイレンを鳴らすこともできます。

まとめ

  • フード消火設備は他設備へ移報信号が必要
  • ファン停止を行い強制的に停止させる
  • ガス遮断弁でガス供給を強制停止させる
  • 火災受信機で消火設備の作動を確認できるようにする

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