消防設備点検ではビルの地下に存在する【ピット】を点検することがあります。新規の消防設備点検時に図面などで事前確認ができない場合でも、火災受信機周辺にある警戒区域図で確認することができます。
地下ピットとはなにか?
ピット【pit】を検索してみると穴とか窪みと出てくる、地下ピットは地下の穴、窪みのことで、防火対象物の地下にある空間のことです。
実際点検に伺ったときオーナーさんから「こんなのあったんだ」と言われたりすることもあり、一般的にはあまり地下ピットの存在を知っている人は少ないのかもしれません。
地下ピットは普段人の出入りが想定されていないので階段は設けられておらず、床下の点検口を開けて侵入します。ピット内に入ると周辺はコンクリートで囲まれており、配管類や受水槽が設置されていたりします。
ピット入り口の蓋は重量があり腰を痛める可能性があるので慎重に行う必要があります。蓋には大抵は取っ手がありますが、定期定期に点検をしていないような物件では取手にゴミやホコリが蓄積し開きにくくなります。
実際にここを見ればしっかり点検をやっているのかどうかが分かったりします。※ピット内の感知器の有無は物件によって異なるので一概にはいえません。
蓋をあけてみると・・・
調べてみると秘密の階段
勇者が進む
蓋を調べてみるとなんと!!秘密の階段が出てきました。
若い世代は知らないと思いますが、管理人が小学生の頃、RPGゲームのドラゴンクエストⅢでラスボスのゾーマを倒しに行きたいのに全然先に進めず、ダンジョン1階の王様の椅子の後ろを調べたら秘密の階段が出てきたのと同じですかね。階段を見つけるまでは何度もやられ結局一番近いリムルダールの町へ退散したことが懐かしいいです。
脱線してしまいましたが、はしごの上段の方に照明のスイッチがあります。明かりがないと真っ暗で点灯する危険があるので懐中電灯も装備しておくと良いです。
地下はピットは煙ではなく熱感知器【防水型】を設置する?
地下ピット内は湿気が多いので防水型の火災感知器を設置します。火災感知器は場所に適応して設置することが求めらえるので、地下だから煙感知器じゃダメなんてことはなく定温式スポット型感知器の防水型を設置します。
湿気が多いと防水型の熱感知器でも腐食してしまったりするので定期的な交換が必要になることもあります。
さあ、試験をしてみよう!
設置されているのは75℃に達した時点で作動する定温式スポット型1種防水。能美防災社の製品になります。定温式は一定の温度に到達した時点でスイッチが入る仕組みになってます。なので、75℃まで加熱してみます。
換気が悪すぎて水滴が溜まることがあるのでピット内では防水式の火災感知器を使用します。通常の地下階では煙感知器を設置しなければなりませんが、湿気で誤作動を起こしてしまうのでピットでは適しません。
発報!!LEDが光る
蓋を開けるときの注意点
地下ピットの蓋を開口するときには必ず人が落ちないように対策をする必要があります。カラーコーンを立てるなり、人を立たせるなりしておかないともし落ちてしまったら大怪我では済まないかもしれません。十分に注意をし作業を行うことが求められます。
参考記事:熱感知器をぶつけると発報します 建築基準法
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