甲種防火対象物と乙種防火対象物の違いについて【用途と面積で決まります】

甲種防火対象物と乙種防火対象物の違いについて【用途と面積で決まります】

甲種防火対象物と乙種防火対象物

甲種と乙種は①用途✕②面積で決まる

①用途について

消防法令に規定する防火対象物には乙種と甲種の2種類があります。2つの違いは「建物の用途」と「面積」の関係性により変わります。

建物の用途は建物をどのように使用するかを言います。例えば「映画館」「カラオケ」「飲食店」「ショップ」「病院」「事務所」「住居」など様々な用途が存在します。これらの用途は誰でも使用できるものと、そうでないものがあります。

誰でも使用できるものは、「映画館」「カラオケ」「飲食店」「ショップ」「病院」などがあります。これらを「特定用途」といいます。

対して誰でも使用できないものは、「事務所」「住居」「倉庫」などです。使用できる人があらかた限られているのもがあたります。これらを「非特定用途」といいます。

特定用途 非特定用途
劇場、集会場、ナイトクラブ、遊技場、ダンスホール、風俗店、カラオケ、飲食店、物品販売店、ホテル、病院、福祉施設、幼稚園、蒸気浴場、サウナ、地下街 共同住宅、学校、図書館、美術館、博物館、駐車場、神社、協会、工場、映画スタジオ、航空格納庫、倉庫、事務所、美容室、リラクゼーション、重要文化財、山林、船、車

特定用途と非特定用途について

②面積について

面積については「300㎡」と「500㎡」が基準になります。用途が特定用途であれば「300㎡」以上であれば甲種、「300㎡未満」であれば乙種になります。

用途が非特定用途であれば「500㎡以上」であれば乙種、「500㎡未満」であれば乙種になります。文章すると難しいので表にしてみます。

甲種防火対象物
特定用途
【劇場、集会場、ナイトクラブ他】
非特定用途
【共同住宅、学校、図書館他】
300㎡以上 500㎡以上
乙種防火対象物
特定用途
【劇場、集会場、ナイトクラブ他】
非特定用途
【共同住宅、学校、図書館他】
300㎡未満 500㎡未満

根拠法令

 法第八条第一項の政令で定める防火対象物は、次に掲げる防火対象物とする。

 別表第一に掲げる防火対象物(同表(十六の三)項及び(十八)項から(二十)項までに掲げるものを除く。次条において同じ。)のうち、次に掲げるもの
 別表第一(六)項ロ、(十六)項イ及び(十六の二)項に掲げる防火対象物(同表(十六)項イ及び(十六の二)項に掲げる防火対象物にあつては、同表(六)項ロに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)で、当該防火対象物に出入し、勤務し、又は居住する者の数(以下「収容人員」という。)が十人以上のもの
 別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項イ、ハ及びニ、(九)項イ、(十六)項イ並びに(十六の二)項に掲げる防火対象物(同表(十六)項イ及び(十六の二)項に掲げる防火対象物にあつては、同表(六)項ロに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものを除く。)で、収容人員が三十人以上のもの
 別表第一(五)項ロ、(七)項、(八)項、(九)項ロ、(十)項から(十五)項まで、(十六)項ロ及び(十七)項に掲げる防火対象物で、収容人員が五十人以上のもの

 新築の工事中の次に掲げる建築物で、収容人員が五十人以上のもののうち、総務省令で定めるもの
 地階を除く階数が十一以上で、かつ、延べ面積が一万平方メートル以上である建築物
 延べ面積が五万平方メートル以上である建築物
 地階の床面積の合計が五千平方メートル以上である建築物

 建造中の旅客船(船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第八条に規定する旅客船をいう。)で、収容人員が五十人以上で、かつ、甲板数が十一以上のもののうち、総務省令で定めるもの

e-gov:消防法施行令第一条の2第3項

 第一条の二第三項第一号ロ及びハに掲げる防火対象物で、延べ面積が、別表第一(一)項から(四)項まで、(五)項イ、(六)項イ、ハ及びニ、(九)項イ、(十六)項イ並びに(十六の二)項に掲げる防火対象物にあつては三百平方メートル未満、その他の防火対象物にあつては五百平方メートル未満のもの(以下この号において「乙種防火対象物」という。)

e-gov:消防法施行令第三条1項2

消防特化型行政書士事務所

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