昨日の夜から漏電火災警報器が誤作動を起こしているようです。原因不明で、何が考えられますでしょうか?東京の住宅地なのでご近所様に迷惑で早く何とかしたいのですが、、、
というご連絡をいただきました。お話を伺ったところ
- 深夜に突然、警報音が鳴りだした
- 漏電火災警報器は設置から35年以上経過している
- 漏電受信機は屋外に設置してあり防水ボックス内に取り付けていない
- 共用部、各居室の漏電ブレーカーは作動していない
- 水漏れなどはとくにない
- ブレーカーを一旦落として再度入れると音が止まる
という状況でした。
状況から判断し機械の故障が濃厚かな?と推測できます。本体設置から30年以上経過していることもあるので、本体と変流器を交換することになりました。
漏電火災警報器の概要
漏電火災警報器はメタルラスモルタル構造の住居に設置され、『変流器』と『漏電火災受信機』で構成されているシステムです。変流器では引き込み配線の電流値をチェックしており、建物に引き込まれる電流と戻っていく電流の差で警報を鳴らします。
メタルラスに漏電があった場合はラスから地面に電気が流れて行くことで戻りの電流値と差ができてしまいます。この差が大きくなると漏電火災受信機が作動することになります。電流の差は下記の範囲になります。
設定レンジ(漏電検出設定値) | 設定レンジの 40% ~ 105%で作動 |
100mA | 40mA ~ 105mA |
200mA | 80mA ~ 210mA |
400mA | 160mA ~ 168mA |
交換する前に試験を実施
念のため交換する前の漏電火災警報器を試験してみます。設定レンジが200mAのため作動範囲は『80~210mA』で作動すればOKです。
実測値の結果『120mA』で作動しました。正常に働いているので機械の故障かどうかはまだ断定できませんが、老朽化していることもあり交換します。
本体を交換
変流器と漏電火災受信機を交換します。まずは変流器。変流器は引き込み線を覆う形で設置します。電気の引き込み線は外せないため、分割型の変流器を使用し引き込み線に分割型変流器をハサミこみ壁に固定します。
分割型変流器と漏電火災受信機を接続するための配線を接続します。
漏電火災受信機を撤去した後、屋外に設置することもあり、防水ボックスを設け内部に漏電火災警報器受信機を設置します。
作動試験を実施
交換した漏電火災受信機の設定レンジは『200mA』のため、作動範囲は40~105%となり、『80mA~210mA 』となります。
測定の結果『134mA』で漏電火災受信機が作動しましたのでOKです。これで様子を見ていただき発報することがなければ機械故障ということでビンゴです。
まとめ
- 突然漏電火災警報器がなりだした
- 設置後30年以上経過しているので交換した
- 変流器は屋外分割型を使用
- 漏電火災受信機は防水ボックスに入れる
- 設定電流値の40~105%で作動すればOK