カットリレーとは非常放送時に店舗内のBGMとかで重要な放送が聞こえにくくならないために設置するリレーのことを言います。言い方をかえるとテナント内の音響装置を強制的にカットしにいくリレーです。この仕組みは消防法に明記されている基準になりますので(騒音と区別して警報を聞き取れるようにするという意味)シッカリと施工することが必要になります。また消防検査でもちゃんと確認しますので仕組みを理解し確実な施工が求められます。
カットリレーの仕組み
非常放送が起動するとカットリレー用コンセントへ信号が送られます。この信号でカットリレー用のコンセントに流れている100Vが0VになりBGMなどに使用しているアンプが電源OFFになります。そうなると当然音楽はならなくなります。非常放送設備が起動したらこのようなリレーを働かせる仕組みが必要になります。
カットリレー用のコンセントを見てみる
開封の儀にてきれいに梱包されているTOA社のカットリレーを開けてみます。かのA社と同じようなパッケージ内容でコンセントのようでコンセントでないような機械が現れました。これがカットリレー本体になります。このコンセントは通常時にはAC100Vが通電さてていますが非常放送から送られてきた信号が入力されると100Vが断になります。ダン!と断になります。ダンダン内容が理解できてきたことと思います。
次に裏面を見てみましょう。
カットリレーの裏側にはAC100Vにつなぐ端子とDC24Vにつなぐ端子がついています。100Vは分電盤やコンセントから分配されてきた電源が入ります。24V端子には非常放送から送られてくる信号線をつなぎます。この配線は耐熱2芯で送られてきます。施工の関係で耐熱3芯だったり、4芯だったりすることがありますが使用するのは2本だけなので複数線がある場合はしっかりとDC24Vが出ることを確認して接続するようお願い申し上げます。
わからなくなってもういいやと投げ出してしまうのはよくありません。かつて一世を風靡した方が言っておりました『負けないこと、投げ出さなこと、逃げ出さないことが大事』ということです。
カットリレーには2パターンがある
カットリレーは非常放送が作動したときにカットリレーにDC24Vが送られ、100Vがオフになるということは上に書きました。しかしもう一つのパターンがあり起動したときにカットリレーへDC24Vが送られるというものも存在しています。このカットリレー前者がB接点用のカットリレーで後者がA接点用のカットリレーになります。どちらも仕組みは同じなのですが運用上では全く違うのです。なぜ違うのかは次に記述いたします。
施工上発生する不都合な真実
不都合な真実というインテリっぽ言葉をずっと言ってみたくようやく使うことができてうれしです。で、なにが不都合かというと、常時DC24Vが流れている場合に起こるのことなのですが、空きテナントで工事をする場合が間違ってDC24Vをショートさせてしまった場合防火対象物に入っているテナントのカットリレー作動してしまうという大変厄介なことが起こってしまいます。
カラオケや個室ビデオボックスが入っている防火対象物で別区画でカットリレーの工事をしていて誤ってDC24Vをショートさせてしまったらカラオケの機械やビデオボックスの音響機器が停止してしまします。最悪の場合は損害賠償とかのお話になってしまいます。なので常時24Vが通電されているB接点用のカットリレーが使用されている場合は慎重に施工することが必要になります。
カットリレーが作動した場合の復旧方法
カットリレーは非常放送設備の復旧ボタンをおせば自動的にカットリレーの100V電源も復旧することでしょう。放送設備で復旧をしているけれど復旧しない場合があります。その場合は復旧していないエリア付近に個別の復旧ボタンを設けているケースがあるのでそちらも探して復旧してください。昔の機械ではありましたが今ではほとんど見かけることがなくなりました。
番外編
施工が完了したけどカットリレーが働かないということがまれに起こります。その場合は非常放送アンプに設置されているカットリレー用のヒューズが飛んでいるということがあります。こちらはDC24Vの配線がショートした場合にバシバシ飛びますのでこちらのヒューズを交換すれば元通りになると思いますので試してみてください。
まとめ
- カットリレーコンセントは2パターンある
- 非常放送の端子を確認しA接点B接点のどちらかを確認
- B接点施工の場合は細心の注意を
- 原因不明のDC24Vが出ない場合はアンプ内のヒューズを確認
- わからなくても投げ出さないこと!