スプリンクラーが起動!作動する仕組【湿式】

スプリンクラーが起動!作動する仕組【湿式】

お客様よりスプリンクラーが作動・起動する原理がわかりません??という質問をいただきました。スプリンクラーはポンプから配管を伝って消火水を建物の隅々まで送り込み先端にはスプリンクラーヘッド (放水するためのヘッド) が取り付けられている設備です。

ビルのオーナーさんであったり管理会社さんの設備担当者以外は仕組みまでわかっている方はそう多くないかなと思います。今回はスプリンクラーの構造と仕組みを簡単にご説明し少しでも理解のお助けになればいいなと思っていおります。

湿式のスプリンクラー構造

スプリンクラーの概要図面から

スプリンクラー簡略図

アバウトな図面を書いてみました。屋上の高架水槽や建物入口付近にある送水口は省略しています。

スプリンクラー配管は全てつながっています。スプリンクラー制御盤にあるスプリンクラー起動ボタンを押しポンプを回せば配管の隅々まで加圧水を送り込むことができます。各箇所の圧力ゲージを確認し十分に加圧されていることを確認後ポンプを止めます。漏れがなければ圧力は安定し警戒状態となります。これが通常警戒状態です。

火災が起こった場合のスプリンクラー

火災が起こった場合のスプリンクラー

火災が起こりスプリンクラーが溶け放水を始めます。まず、スプリンクラーヘッドが火災の熱を感知し内蔵している温度ヒューズが溶け水を放水します。この状態ではまだポンプは始動していません。配管内圧により放水されている状態です。徐々に配管内部の圧力が低下しスプリンクラーポンプの脇に設置されている圧力タンク内圧が低下します。圧力タンクの減圧をキャッチした圧力スイッチが作動しポンプが起動します。起動後一気に放水を開始します。

スプリンクラーポンプと圧力タンク

スプリンクラーポンプ

圧力タンクには圧力ゲージが設置されています。スプリンクラー配管内部の圧力が下がりだすとこの配管も同時に減圧され圧力タンク内部もまた減圧されます。設定圧より下がるとポンプが起動する仕組みになっています。

また、消火栓は各階の押し釦(発信機)を押すことによりポンプが始動する仕組みのため圧力タンクはありません。

どこかで圧力漏れがあるとポンプが回ってしまう

劣化した圧力計
経年劣化した圧力ゲージ

先にも書きましたがスプリンクラーヘッドが火災を感知した場合配管内部の圧力が減圧されポンプが起動されます。もし配管が割れていたり弁から漏水があった場合はどうなるでしょうか??漏れがあった場合も同様に漏れの具合にもよりますが減圧されていきます。多少の漏れの場合はポンプ起動用圧力スイッチの設定圧まで下がらずに止まる場合があります。しかし漏れが多い場合は設定圧よりも下がって結果ポンプが回ってしまします。その場合は早急の漏れ箇所を特定する必要がありますが、一時的に圧力設定圧を下げておけば漏れによる起動を防ぐことができます。スプリンクラー圧力漏れの探し方

まとめ

基本原理は配管内の圧力が低下することでスプリンクラーポンプユニットの圧力タンクが減圧されスイッチが入るという仕組みです。

  • スプリンクラーヘッドが熱で溶ける
    または補助散水栓の開放で配管の圧が下がる
  • 配管が下がると圧力タンク内部が減圧される
  • 減圧されると設定されている圧力でポンプが起動
  • ポンプで加圧され放水を開始

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