消防設備士のおすすめ取得順と難易度そして必殺勉強方法【代表体験談】

2019.10.08

消防設備士の試験は山にたとえるなら「登れる人だけが登る山」ではなく、「登ろうとした人が必ず登れる山」です。道は険しいように見えて、じつは踏み固められています。エベレストは難しいけれど富士山にはなんとか登れるかもしれない。

ただし、立ち止まれば景色は変わらない。勉強しなければ、永遠に五合目のお茶屋。誰も背中を押してはくれません。けれど、一歩を踏み出す勇気さえあれば、必ず上へ進める。努力は裏切らない資格、それが消防設備士です。

そして、日々コツコツと積み重ねるその時間こそが、あなたを変えていきます。昨日より少し理解が深まり、今日もまた一歩、山を登る。そんな日々の積み重ねが、いつしか充実した毎日となり、気づけばあなたは“新しい自分”に出会っているはずです。

合格という頂に立ったとき、見える景色は試験の結果以上のものです。学んだ知識が、人の命を守る力へと変わり、あなたの中に確かな誇りが宿っていることでしょう。

さあ、新しい自分に会いにいきませんか!?

資格の種類と甲種と乙種

消防設備士試験は甲種8種類と乙種5種類の全部で13種類あります。甲種と乙種の違いは、工事、整備を行うには甲種、点検、整備を行うには乙種が必要です。甲種を取得すればすべての業務を行うことができます。

種別については特類、1類、2類、3類、4類、5類、6類、7類があります。各類と該当する設備についての詳細は下の表に記します。

類別 設備の種類
特類  特殊消防用設備
1類  消火栓、スプリンクラー、水噴霧消火設備
2類  泡消火設備
3類 不活性消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備
4類  自動火災報知設備、非常放送、ガス漏れ火災警報器
 消防機関へ通報する火災報知設備
5類  避難はしご、緩降機、救助袋
6類  消火器
7類  漏電火災警報器

特類は甲のみ、6類と7類は乙種のみです。乙種7類の漏電火災警報器を工事する場合は乙7とは別に電気工事士の資格が必要になります。

消防設備士試験は年に何回もあるので取得がしやすい

消防設備士試験は各種別ごと、年に何度も実施されていています。試験は都道府県ごとに実施されており、受験を申し込んだ都道府県以外にも願書を併願して出すことができます。日程が全国で統一されているわけではないので、日本国内を駆け巡れば短期間で全ての類をコンプリートすることも可能です。

また、短期間で甲種4類を取る必要がある場合は複数の都道府県に願書を申し込みんでおき保険を掛けることが可能です。免状はどの都道府県で取得しても全国で使用することができます。

気になる難易度は?

類別 甲種難易度と勉強時間 乙種難易度
特類 ★★★★★
1類 ★★★★ ★★
2類 ★★★ ★★
3類 ★★★ ★★
4類 ★★★★ ★★
5類 ★★★ ★★
6類 ★★
7類 ★★

私が体験した感覚で難易度を付けてみました※得類は取っていないので予想です。難易度は受験資格、出題の範囲によって異なります。

甲種特類は1類から3類の中の1種類及び、甲種4類+甲種5類を取得した後でなければ受験できないので★5にしました。甲1と甲4は他の類よりも出題範囲が広いため★4です。その他は★3にしました。

消防設備士の難しいところは馴染みのない言葉を覚えることから始めるので、専門用語とイメージがリンクするまでに時間がかかることです。用語を少しづつ覚えればなんとなくイメージが掴めるので、大枠を抑えられるようになってきたら合格はもうすぐ近くにあると言えます。

勉強時間について

実際に受験した経験から推察した勉強時間を書いてみます。私は消防設備の業務を行いながら受験したので多少ほか受験生よりも有利だったかもしれません。

体感的に時間がかかったのは甲4、甲1です。この2つは若干試験範囲が広いため他の設備よりも多少ボリュームがありました。

消防設備士の類 目安時間(個人差あり)
甲種1類 水系消火設備 約 100時間~200時間
甲種2類 泡系消火設備 約 100時間前後(1類取得後)
甲種3類 ガス系消火設備 約 100時間前後(1類取得後)
甲種4類 警報系消防設備 約 100時間~200前後
甲種5類 避難器具系消防設備  約 100時間前後
乙種6類 消火器・大型消火器 約 60~120 時間前後
乙種7類 漏電火災警報機 約 60~120時間前後(4類取得後)

消防設備士おすすめのセット

管理人が取得した順番は「乙6」「甲4」「甲1」「乙7」「甲3」「甲5」「甲2」です。とりあえず登竜門の乙6を取得しました。
当時私は店舗改装の工事と点検改修工事をメインに業務をしており、自火報、非常放送の工事がかなり、必須である甲4を取得しました。次に取得したのは甲1です。自火報、放送に加え、ときどきSPの増設移設もあったため甲1を取りました。あとあ成り行きで順番に取得していきました。

1から7まで揃うのに3年4ヶ月程かかりました。長期的な計画を立てコツコツと継続すれば確実に合格はできると思います。継続することが大切です。

消火設備関係は消防設備士1.2.3類のセット

スプリンクラーポンプ画像

消火設備関連の資格は1.2.3類です。

  • 1類 スプリンクラー、消火栓関係【水系消火設備】
  • 2類 泡消火設備
  • 3類 ガス系消火設備

消火設備関係で受験者数の多い順からから、1類、2類、3類となります。

1類は水系の消火設備です。消火栓やスプリンクラーが該当します。消火栓は他の消火設備と比較すると多くの建物に設置されています。そのため1類に多くの需要があることから受験者数が多くなっています。今後消防設備業を目指す方は1類を取得すれば需要はあるのでお勧めいたします。

2類は泡消火設備です。泡消火設備は主に危険物取扱い場、駐車場などの油を使用する場所に設置されます。1類の消火栓と比べると設置数が少ないため需要は劣ります。

3類は不活性消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備です。主に駐車表、電気室に設置されます。この類も1類の消火栓と比べると需要が劣るため受験者数は少なくなっています。

2類3類に言えることは、1類取得後、頭の中に知識が残っているうちに受験することをお勧めいたします。消火設備だけあって似たような知識内容で対応できたりしますので是非挑戦してください。

避難器具・消火器の消防設備士5.6類のセット

  • 5類 避難器具
  • 6類 消火器 

5類は避難器具、6類は消火器です。まず乙6を取得し、消火設備や電気系の設備に興味がなく、機械に興味がある場合は甲種5類をお勧めいたします。甲種5類は甲4に比べると持っていない人が多いのでそれなりに需要がりそうです。

警報設備4類と漏電火災警報器7類のセット(+電気工事士)

非常放送

  •  4類 自動火災報知設備 非常放送 ガス漏れ火災警報器
  •  7類 漏電火災警報機

4類は自動火災報知設備、非常放送、ガス漏れ火災警報器が該当し、7類は漏電火災警報器が該当します。

消防設備士の中でダントツ需要があるのが甲種4類です。消防設備業者で実務を行う場合は必須となる資格です。乙6を取得したら迷わず甲4を受験しましょう。
あと、4類と7類に加えて「電気工事士」を取得するのをおすすめいたします。電気工事はどこにでもついて回るので消防設備士を取得したら電気工事士も忘れずに。

おすすめの取得順番

自分のスタイルで資格を組み合わせ

資格を取得する理由は様々かと思います。業務で使う方、知識をつけて新しいことに挑戦する方、資格マニアの方など。特に業務で使う方は自分のワークスタイルに合わせてコーディネートし今後の仕事に役立つよう陰ながら願っております。

これから挑戦するという方は、 乙6 → 4 類 or 1類 → 5類 → 余裕があればその他の類に挑戦するというのはいかがでしょうか。おすすめです!

勉強のコツ

消防設備の勉強は、本当にわかりにくいと思います。
自分はこの仕事を20年以上やってきましたが、いま改めてテキストを開いても、専門用語が多く、内容がかなり抽象的に感じます。

最初の段階では「理解しよう」とせず、読み物として一周してみることをおすすめします。
頭に入らなくても構いません。まずは「全体の流れ」や「どんな分野があるのか」をざっくりとつかむことが大事です。

消防設備の内容を本当に理解するためには、全体の概要をつかむことが先です。
全体像が見えていない状態で細かい部分を理解するのはとても難しい。
たとえば、配線の仕組みを理解するにも、「感知器」「受信機」「警報装置」などの関係性を知らないと意味がつながりません。
一度全体の流れを知ってから、具体的な内容に戻ってくる方が圧倒的に理解が深まります。

それから、読むだけで覚えようとするのは効率が悪いです。
なぜかというと、読むだけの勉強は受け身だからです。
その意味で、問題集を使った勉強は“能動的”な学びになります。自分から答えを探す行動が、記憶を定着させるのです。

だからこそ、問題集を中心に勉強を進めることを強くおすすめします。
問題集を何度も繰り返すうちに、自然と関連する知識が頭の中でつながっていきます。
そして、わからない箇所や気になったポイントをテキストで確認していく。この順番が、最も効率的かと思います。

実際のところ、問題集を10周やってからテキストを読むと、不思議なくらい理解できます。
逆に、テキストを10回読んでも、問題を解く力はあまり身につきません。
勉強というのは「知る」より「使う」ことを繰り返したほうが、知識が定着します。

つまり、テキストを軽く一周 → 問題集を繰り返す → 間違えた問題を重点的に復習する。
これが、消防設備士試験に合格するための最もシンプルで確実な勉強法です。

どんなに優れた教材でも、最初から完璧に理解しようとする必要はありません。
大切なのは、一歩ずつ、積み重ねること。
それを続けていけば、必ず結果がついてきます。

継続、継続、そして継続。一緒に頑張りましょう!!

関連記事:消防設備士として独立するために必要なこと

関連法令:消防法第17条の3の3

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