ジェトロ、ベトナム統計局データによると、ベトナムはサービス業42%、工業・建設37%、農林水産12%、その他という産業構造で、電子機器・アパレル・食品加工など製造業が輸出の中心を担い、2024年のGDP成長率は7.1%を記録しました。
日本との関係も極めて深く、2024年の二国間貿易額は約462億ドル、日系企業は約2,400社進出し、その半数以上が事業拡大を計画しています。
チャイナプラスワンの受け皿として投資も拡大し、日本は累計約2.5兆円のODAでインフラや人材育成を支援。1億人規模の若い人口と外資受入の積極姿勢を背景に、ベトナムは高付加価値産業への転換を進め、日本はその成長を支える主要パートナーとなっています。
今回は、経済発展が眩しいベトナムの消防設備につて書いていきたいと思います。
ベトナム消防設備

今回はベトナムの消防設備の一例をご紹介いたします。ベトナムの正式名称はベトナム社会主義共和国で首都はハノイです。
日本から南西へ約3,600キロ離れたところにあり、日本との時差は2時間進んでいます。細かな情報は別のサイトに譲りここでは消防設備について書いていきます。
消火栓

ファイヤーホースリール114と書かれています。ベトナムでは消防署への通報は「114番」となっております。ちなみにですが警察通報が「113」、救急車が「115」により通報します。PCCC(phòng cháy chữa cháy)と記載がありますが、これはベトナム語で「防火と管理」を示すイニシャルとなっています。
右側に見える配管は日本で言う連結送水管の放水口となっており、左側のボックスに収納しているホースを接続し放水作業を行います。

こちらのボックスにもPCCCという記載がります。日本の消火栓ボックスには「消火栓」という文字が記載されます。消火栓ボッスには上段と下段に2系統のホースを接続できる使用になっています。バルブにホースを接続し、1名がホースを持ち火元に近づき、もう1名が放水バルブを操作する仕様です。
ボックス内に二酸化炭素消火器らしきものが確認できます。消火器のノズルがホーン型となっていることから二酸化炭素であることが推測できます。
警報設備
警報設備は日本に『ホーチキ』社の製品が設置されています。ホーチキ社は日本で最初に火災報知機を開発した防災設備メーカーです。このファイヤーアラーム発信機は海外専用の製品で日本でお目にかかれません。同社はアメリカに進出しており海外企業向けに製品を提供しています。このファイヤーアラームにHOCHIKIと書かれていますが、一見海外メーカー製品という外観でも実は中身がHOCHIKIということもあるのです。
海外の製品はUL、ULC、CEといった規格に適合した製品を製造販売しています。この規格は日本で言う型式認定のようなものです。
煙感知器、表示灯、ランプは我々が実際に日本で実際するものと同等品です。ホーチキ社はベトナムの火災報知設備シェア40パーセントを誇っており、ベトナム国内の安全を確かな伝統の技術で守リ続けています。
フラッシュライト

海外の設備ではフラッシュライトの設置が多く見られます。実際に構造を確認すると日本の非常灯と近い使われ方をしていました。通常時はブレーカーから電源を受電しバッテリーを充電待機しています。もしブレーカーが落ちることがあるとフラッシュユニットが作動します。
日本での光警報設置状況はまだまだ進んでいませんが、今後だんだんと普及していくことが想定されます。光警報はブラッシュライトを使うので、光の反射をにより誘導灯や標識類の視認障害を補うことができます。一部の施設ではフラッシュライト付きの誘導灯が設置されていますが、まだまだ一般的ではありません。
誘導灯

誘導灯はピクトグラムタイプとEXITが書かれています。黒ベースなので緑部がくっきりと見えやすくなっています。
竪穴区画
日本ではお目にかかれない竪穴区画にエスカレーターが設置されている物件。豪快で見事な吹き抜けです。竪穴区画で火災が発生した場合、上昇気流とともに煙が拡散されるため各階の区画には煙感知器連動の防火シャッターが設置されます。
火災時に煙を感知し自動的にシャッターが降りる仕組みですが、もしここの物件で煙感知器が作動しシャッターが降りてしまったらエスカレーター出口はシャッタがあり逃げられず煙に巻かれてしまいます。※ここにはシャッターの設置は無かったようです。
さいごに
今回は簡単にベトナムの消防設備について紹介しました。今後も海外ネタをアップしたいと思います。