
自動火災報知設備の配線工事は2芯工事と4新工事があります。工事歴がある程度積まれていくと2芯も4芯も同じということがわかってくるのですが、なれるまではなかなか理解が難しいことでしょう。
基本的にどちらの方法で施工しても構いませんが、4芯の配線を使って工事をしたほうが間違いがなく、やり直しのリスクも大幅に減らせます。なので工事をするときは4芯で行うことをおすすめいたします。
また、少し古めの建物で既存改修を行う場合2芯工事で施工していることがあります。このような場合は理解が必須になるので頑張って覚えていただければ嬉しく思います。
2芯工事4芯工事を理解しよう
火災感知器が作動する原理
火災感知器を制御する配線はL【ライン】とC【コモン】の2つの種類になります。このLCは火災受信機の端子から配線で送られてきたもので、各階に設置してある総合盤【機器収容】を経由しておのおのの火災感知器に接続されます。
火災感知器が作動する場合はLCのスイッチがオン!します。

2芯工事とは
総合盤からLとCの2本を感知器で接続します。これが2芯工事です。LとCの末端には終端抵抗を設置します。この終端抵抗は火災感知器回路に断線が合った場合、断線により抵抗値が下がることにより断線を断定するために設けられます。
断線のしくみ
感知器を1個増設してみた
感知器を増設した場合終端抵抗は増設した感知器に移します。『終端抵抗』LC回路の終端に設ける抵抗ということです。
2芯工事でやってはいけないこと
パラ配線
パラ配線とは並列配線のことです。自動火災報知設備は送り配線で工事しなければなりませんので絶対にパラ配線は禁止です!

パラ配線をやってしまうと火災感知器1~火災感知器3間の配線で断線があっても火災感知器2に終端抵抗があるので断線エラーが出ないのです。エラーが出ていないけれど実際は火災感知器が働かないと大問題です。この例を踏まえて次に4芯工事を説明します。
4芯工事とは
4心で配線を施し火災感知器を4つの配線を使用する工事になります。
総合盤を出発した2本の線LとCは火災感知器の端子に接続されたあと2本の線L’C’に返ってきます。2本で行って2本で返ってくるのです。なぜそんなことをするかというパラ配線で説明したとおり自動火災報知設備は送り配線で施工する必要があるためです。
送り配線
このように4芯工事で施工すれば何個でもかんたんに増設することができます。終端抵抗の場所はどこに設置してもよいので

このような感じで設置しても構いません。最後の感知器は2芯工事になっています。現場現場で状況が違いうと思いますのでやりやすい方法で施工するようにしてください。パラ配線は禁止です。
まとめ
2芯4芯は基本的に同じことなので難しく考えずに一筆書きで絵を書く感覚を身に着けるように覚えていけば簡単かなと思います。
あとがき
冒頭で「2芯も4芯も同じ」であると書きました。この意味は、パラレル配線をしないで終端抵抗をつけるかということなので、感知器から感知器まですべて2芯工事でやっても問題ありません。4芯の配線を使えば2芯で次の感知器まで送り、残りの2芯でもとの感知器に戻すことができます。
表現が難しいのですが、電気はプラスとマイナスの2本で送るので、1つのケーブルで送って戻すが完了できるというだけなのです。この理解がなかなか難しいのですが、自分で配線を買ってきて分解して回路を作ってみたら理解が早いかと思います。
電気を送る、そして戻す。戻ったところに終端抵抗。これが4芯工事です。
参考記事:自火報回路で送り配線が必要な場合とその法的根拠について
参考法令:消防法施行規則第24条第1号イ