海外安宿に泊まるときの防火上の安全対策と簡単なチェックリスト

2019.10.23

日本の建物は建築基準法令や消防法令により、こと細かい規制がかけられています。消防法令に関して言えば、建物に入居する用途により消防設備の設置基準が厳しくなったり緩くなったりします。

その中でもホテルや旅館用途では火災による被害が大きくなることが想定されるため、かなり厳しい規制がかけられることになり。

例えば自動火災報知設備はどんなに小さくても義務になります。自火報が設置されていれば他の場所で火災が起こっても警報を聞くことができればすぐに避難を開始することができます。

一方で海外のホテルやゲストハウスでは日本のような防火安全に関する基準が設けられていない場合があります。このような場所に滞在することになった場合は自己的に防衛するしかありません。

また、滞在先の状況により電気の供給が不安定だったり、消防警報設備が機能していないことも十分に想定ができます。そもそも消防設備が機能しないことを想定して身を守る覚悟が非常に重要なのではないでしょうか。

今回は滞在先に着いたらチェックしたポイントを書いてみたいと思います。もし直感で危険を察知した場合は思い切って滞在先を変えることもアリかと思います。

ホテル、ゲストハウスに着いたら必ずチェックしたい項目

ホテルやゲストハウスを選ぶときに金額にばかり目が行くと、安全がおろそかになることがあります。大きめのホテルチェーンや高級ホテルではスプリンクラー、消火栓、自動火災報知設備なが設置されており、避難経路も何通りも用意されています。一方で安い宿ではこのような安全対策が取られていことが多くあります。

宿泊費を浮かせることは旅人に取って最大限のメリットかも知れません。しかしながら安い宿には安全面でさまざまなデメリットがあることも事実です。少しでも旅先でのリスクを下げるために行うべきことを書いてみます。。

  • 避難経路のと階段系統の確認
  • 開口部が開き、避難可能かを確認
  • 竪穴区画を確認
  • 内線電話が使えるか確認
  • 消火器、消火栓の位置を確認

避難経路のと階段系統の確認

一番重要なことは避難経路の確認です。避難経路は客室の扉に図面が貼ってあることが多のですが、安い宿では掲示がないことががあります。

掲示がないときは実際に自分の足で確認をすることをオススメいたします。フロアを歩き誘導灯の設置の有無を含め階段までの経路を探します。同時に階段の数もチェックします。避難経路は多ければ多いほどよいので簡単な避難訓練をする感覚でシミュレーションしておけば生存確率は格段に上昇するでしょう。

開口部が開き避難が可能かを確認

客室に開口部がある場合はその開口部から避難ができるかを確認することも重要です。部屋から直接屋外に出られれば廊下のに1系統避難経路が加わります。また、低層階であれば直接地上に飛び降りたり、シーツを紐にして脱出できる可能性があります。開口部からどのように避難をするかのシミュレーションをしておけば万が一に備えることができます。

竪穴区画を確認

竪穴区画とは階段などの縦方向の空間のことです。1階で火災が発生した場合は煙が上階に上昇して避難に支障が出ることになります。もし避難階段が1系統で階段から上がってきた煙が直接客室の扉に面している場合はリスクが高い建物と言えます。

2階建てなので窓から外部に脱出できればよいのですが、階段室に向かって屋外に出る構造の建物では避難経路がないことになります。このような宿に宿泊する場合は慎重に検討し、最悪宿を変えるという選択もアリかと思います。

内線電話が使えるかを確認

中堅以上のホテルでは基本的に内線電話を装備されています。この電話が使えるかを事前に確認しておくことをおすすめいたします。確認方法はフロントにつながるかをチェックします。これだけでOKです。何かあったときの情報収集手段として非常に有効になります。

消火器、消火栓の位置を確認

実際に使えるかは別として、火災を発見して火が小さい段階で消火活動ができれば被害を最小限に抑えることができます。避難経路を確認しながらこれらの設備も一緒に確認しておくとよいかもしれません。

あとがき

世界遺産の街

消防設備の仕事をするようになり建物の危険度が何となく分かるようになり、出張ホテルや旅館に泊まるときは必ず避難経路を確認するようになりました。 避難経路が何か所あるか?避難器具の設置場所はどこか?階段は特別避難階段かどうかなどなど。

ゲストハウスなどの安宿の多くは1階がレセプションを兼ねたバーやレストランとなっていることがあります。奥に進むと階段があり、上階に何層も宿泊室があります。もし1階で火災が起こってしまったら考えるだけでも怖くなります。

安い宿は非常に魅力的である一方隠れた危険性を孕んでいることも事実です。生存リスクを上げるためにも宿に着いたら避難経路の確認などを行っていただければ幸いです。

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