【消防設備】美容室・スポーツジム・リラクゼーション・事務所に入居する際に必要な法律など【15項】
2022.04.08

美容室、スポーツジム、リラクゼーション、事務所、整骨院などに類する施設を内装工事する場合はこれらに適した消防設備の設置が必要になります。
前述した用途は「消防法施工例別表第一」の15項に該当し、その他の用途に比べ緩い規制での設置義務となります。理由は誰でもいつでも出入りできる劇場や飲食店と違い、ある程度利用する人が決まっている施設だからです。
今回は15項に必要な消防設備について書いていきたいと思います。
15項に該当する用途
事務所、不動産仲介店舗、美容室、整骨院、学習塾、調剤薬局、スポーツジム、スイミングクラブ、ゴルフ練習場、銀行、写真館、クリーニング店、体育館、葬儀場、火葬場などです。
※病院、歯科医院は整骨院と似たような用途ですが、医療機関は15項ではなく6項イに該当し、15項よりも規制が厳しくなっています。
※病院、歯科医院は整骨院と似たような用途ですが、医療機関は15項ではなく6項イに該当し、15項よりも規制が厳しくなっています。
美容室・リラクゼーション・事務所の消防設備設置基準
消火器 消防法施行令第10条
| 一般的な基準 | 延べ面積300㎡以上 |
| 地下・無窓階・3階以上の階 | 床面積50㎡以上 |
| 火を使用する設備や器具を設置 | すべてに必要 |
| 少量危険物 | 指定数量の1/5以上で指定数量未満のもの |
| 指定可燃物 | 指定可燃物の数量以上のもの |
屋内消火栓 消防法施行令第11条
一般的な基準
| 一般的な基準 | 延べ面積1,000㎡以上 |
| 耐火 or 準耐火+内装制限 | 延べ面積2,000㎡以上 |
| 耐火構造+内装制限 | 延べ面積3,000㎡以上 |
地階・無窓階・4階以上の階
| 一般的な基準 | 床面積200㎡以上 |
| 耐火 or 準耐火+内装制限 | 床面積400㎡以上 |
| 耐火構造+内装制限 | 床面積600㎡以上 |
スプリンクラー 消防法施行令第12条
| 11階以上の階 | すべて |
| 指定可燃物 | 指定数量の1,000倍以上を貯蔵、取扱 |
水噴霧消火設備 消防法施行令第13条
13条では水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備についての設置基準が記載されています。
これらの消火設備は航空機格納庫や駐車場、ボイラー室など特殊な場所について基準となり、今回の用途とはあまり関係がないため除外します。
屋外消火栓・動力消防ポンプ 施行令19・20条
こちらも特に関係がないため除外します。
自動火災報知設備 消防法施行令第21条
| 一般的な基準 | 延べ面積1,000㎡以上 |
| 特定一階段防火対象物 | すべて |
| 地階・無窓階・3階以上 | 床面積300㎡以上 |
| 指定可燃物 | 指定数量の500倍以上貯蔵・取扱 |
| 11階以上の階 | すべて |
ガス漏れ火災警報設備 消防法施行令第21条の3
該当なし
漏電火災警報器
| 延べ面積による基準 | 1,000㎡以上 |
| 契約電流による基準 | 50アンペアを超える |
漏電火災警報器は木造建屋で「ラスモルタル工法」により建築された場合で、上記の条件に接触する際に設置が義務になります。ラスモルタル以外の構造、例えば木サイディング、鉄骨造、RC造の場合は不要です。
消防機関へ通用する火災報知設備 令第23条
| 延べ面積による基準 | 1,000㎡以上 |
消防機関へ通報する火災報知設備は「火災通報装置」と呼ばれていたりもします。この設備は設置免除事項があり、消防機関へ常時通報することができる電話を設置したときは設置しなくてもよいという規定があります。
非常警報設備 消防法施行令第24条
| 非常ベル・サイレン(一般) | 全体の収容人数が50人以上 |
| 非常ベル・サイレン(地下・無窓階) | 全体の収容人数が20人以上 |
| 非常放送設備 | 地下を除く階が11以上 又は、地下階が3以上 |
避難器具 消防法施行令第25条
| 3階以上の階・無窓階・地階 | 階の収容人数 100人以上 |
| 3階以上の階・無窓階・地階以外 | 階の収容人数 150人以上 |
| 地上に通ずる階段が 2以上設けられていない3階以上の階 |
階の収容人数 10人以上 |
誘導灯 消防法施行令第26条
| 地階・無窓階・11階以上 | すべて |
| 誘導標識を設置 | 全て(誘導灯を設置した場合は免除) |
その他の消防設備
「消防用水」「排煙設備」「連結散水設備」「連結送水管」「非常コンセント設備」「無線通信補助設備」につきましてはテナント内部に設置することがレアな設備であり、このような設備は大規模物件になりA工事またはB工事で担当することが想定されます。そのためここでの記載は省略いたします。
※消防設備は条例、規則、行政指導などで設置方法が異なることがあるので、事前に管轄の消防署との協議が必須です。
