消防設備点検ではビルの地下に存在する【ピット】を点検することがあります。新規の消防設備点検時に図面などで事前確認ができない場合でも、火災受信機周辺にある警戒区域図で確認することができます。
地下ピットとはなにか?
ピット【pit】を検索してみると穴とか窪みと出てくる、地下ピットは地下の穴、窪みのことで、防火対象物の地下にある空間のことです。
実際点検に伺ったときオーナーさんから「こんなのあったんだ」と言われることもあり、一般的にはあまりその存在を知っている人は少ないのかもしれません。
地下ピットは普段人の出入りが想定されていないので階段は設けられておらず、床下の点検口を開けて侵入します。内に入ると周辺はコンクリートで囲まれており、配管類や受水槽が設置されています。

ピット入口の蓋は重量があり、腰を痛めるおそれがあるため、慎重に扱う必要があります。蓋にはたいてい取っ手がありますが、定期的に点検が行われていない物件では、取っ手にゴミやホコリが蓄積し、開けにくくなります。
実際にこの部分を見ればしっかり点検をやっているのかどうかが分かったりします。※ピット内の感知器の有無は物件によって異なるので一概にはいえません。
蓋をあけてみると・・・


固定はしごにより降下する

地下はピットは煙ではなく熱感知器【防水型】を設置する?
地下ピット内は湿気が多いので防水型の火災感知器を設置します。火災感知器はその場所に適応したものを設置する必要があるので、法令の基準通り地下だから煙感知器ということではなく、熱式の定温式スポット型感知器の防水型を設置します。
湿気が多いと防水型の熱感知器でも腐食してしまったりするので定期的な交換が必要になることもあります。
さあ、試験をしてみよう!
設置されているのは75℃に達した時点で作動する定温式スポット型1種防水。能美防災社の製品になります。定温式は一定の温度に到達した時点でスイッチが入る仕組みになってます。なので、75℃まで加熱してみます。
換気が悪すぎて水滴が溜まることがあるのでピット内では防水式の火災感知器を使用します。通常の地下階では煙感知器を設置しなければなりませんが、湿気で誤作動を起こしてしまうのでピットでは適しません。

蓋を開けるときの注意点

地下ピットの蓋を開口するときには必ず人が落ちないように対策をする必要があります。カラーコーンを立てるなり、人を立たせるなりしておかないともし落ちてしまったら大怪我では済まないかもしれません。十分に注意をし作業を行うことが求められます。
参考記事:熱感知器をぶつけると発報します 建築基準法