漏電火災警報器の設置基準について解説します【ラスモルタル作り+面積or契約電流】

漏電火災警報器の設置基準について解説します【ラスモルタル作り+面積or契約電流】
変流器
分割型変流器

漏電火災警報器は、『ラスモルタル』が使用されている建物で『用途』・『延べ面積』・『契約電流』の組み合わせで設置が必要かが決まります。

ラスモルタルとは木造の住宅や共同住宅を建築する工法の一つで、壁の中に金網上の金属を固定しその金属にモルタルをで塗りながら埋めていく工法です。

現在は新素材や技術の発展に伴い安価で耐久性がよく、ラスモルタル構造よりも工数が少なくてすむ建築工法に変わってきているため、ラスモルタル造の新築は見かけることがほとんどありません。

ただ、既存物件はまだまだ現役の物件が数多くあります。古民家や中古物件を手に入れたけど実は漏電火災警報機が必要だった、といったこともあるので注意が必要です。

設置が必要になる条件

  • メタルラスが使用されている建物で下記のもの
  • 基準面積以上又は基準契約電流を超えるもの

漏電火災警報器は、メタルラスが使用されている建物で、面積又は契約電流が消防法令で定められている基準以上のものに設置が義務付けられます。

設置が必要な理由

漏電火災警報器の説明画像

引込線の絶縁が悪く、漏電電流が壁の中のラスに流れ込んでしまった場合に、火災が発生する危険性があります。変流器を設置することにより随時引電流値をモニターし、変流器が電流値の異常を検知した場合に漏電受信機に信号を送り警報を発する仕組みです。

漏電火災警報器は漏電を受信するためのもので、ブレーカーを自動閉鎖させるものではありません。

面積基準

漏電受信機
受信機の盤面

ラスモルタルの場合は用途を見ていきます。どの用途に該当するか確認後基準面積以上の場合は設置が必要になります。

防火対象物【令別表第一】特定用途は赤 延べ面積
劇 場 等
集 会 場 等
1イ
1ロ
300㎡以上
キャバレー
遊 技 場
性風俗特殊営業
カラオケ・個室ビデオ
2イ
2ロ
2ハ
2ニ
300㎡以上
料  理  店
飲  食  店
3イ
3ロ
300㎡以上
物品販売・百貨店 300㎡以上
旅館・ホテル
共同住宅など
5イ
5ロ
300㎡以上

・避難介助が必要な病院 ※1
・避難介助が必要な診療所 ※1
・上記2つを除く病院/診療所・有床助産所

・無床診療所/無床安産所

6イ1
6イ2
6イ3


6イ4

300㎡以上

老人短期入所施設

老人デイサービス

特別支援学校

6ロ


6ハ


6ニ

300㎡以上

学校など 500㎡以上
図 書 館 500㎡以上
蒸気浴場
一般浴場
9イ
9ロ
150㎡以上
車両停車場 10 500㎡以上
神社など 11 500㎡以上
工 場
スタジオなど
12イ
12ロ
300㎡以上
車庫など
航空機などの格納庫
13イ
13ロ
倉 庫 14 1,000㎡以上
前項以外【事務所・美容室など】 15 1,000㎡以上
複合用途【特定用途が入居】 16イ 特定用途
合計面積
300㎡以上
複合用途【特定用途が入居なし】 16ロ 各用途基準
地下街
準地下街
16・2
16・3
300㎡以上
文 化  財 17 全部
アーケード 18

契約電流基準【面積が基準未満の場合】

ブレーカー
100Aブレーカー

基準面積未満でも契約電流が基準値を超える場合は設置が必要になりますので注意が必要になります。

防火対象物【令別表第一】特定用途は赤 契約電流
劇  場  等
集会場等
1イ
1ロ
50Aを超える
キャバレー
遊技場
性風俗特殊営業
カラオケ・個室ビデオ
2イ
2ロ
2ハ
2ニ
50Aを超える
料  理  店
飲  食  店
3イ
3ロ
50Aを超える
物品販売・百貨店 50Aを超える
旅館・ホテル
共同住宅など
5イ
5ロ
50Aを超える

・避難介助が必要な病院 ※1
・避難介助が必要な診療所 ※1
・上記2つを除く病院/診療所・有床助産所

・無床診療所/無床安産所

6イ1
6イ2
6イ3


6イ4

50Aを超える

老人短期入所施設

老人デイサービス

特別支援学校

6ロ


6ハ


6ニ

50Aを超える

学校など
図  書  館
蒸気浴場
一般浴場
9イ
9ロ
車両停車場 10
神社など 11
工    場
スタジオなど
12イ
12ロ
車庫など
航空機などの格納庫
13イ
13ロ
倉 庫 14
前項以外【事務所・美容室など】 15 50Aを超える
複合用途【特定用途が入居】 16イ 50Aを超える
複合用途【特定用途が入居なし】 16ロ 50Aを超える
地  下  街
準地下街
16・2
16・3
文  化  財 17
アーケード 18

設置工事について

漏電火災警報器の設置は消防設備であり『消防設備士乙種7類』の資格が必要になります。設計前に消防署と打ち合わせ、設置後は『設置届』を提出する必要があります。

参考:漏電火災警報器を設置してみた!
   漏電火災警報器に係る技術上の規格を定める省令

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