警備会社の火災感知器と自動火災報知設備の違い

警備会社の火災感知器と自動火災報知設備の違い

消防設備業界に入ってきた方々あるあるかもしれませんが、消防設備点検で試験してはいけない(あぶってはならない)感知器があります。それは警備会社が設置している火災感知器であります。

ワタクシ管理人もこの業界に入ったときによく分からず何回かやらかしたことがあります。警備会社の感知器も自動火災報知設備の感知器も同じものを使用しているため見分け方が難しいですが、警備会社の感知器には警備会社名が書いてあるステッカーが貼られているため、見落とさないよう注意が必要です。

警備会社の感知器

皆様のご存じの通り日本を代表する有名な警備会社が数社あります。警備会社は防犯上の警備以外に、火災感知器を使って火災を監視する警備を行っている場合があります。

これらのシステムは様々な建物やテナントで幅広く利用され、ホームセキュリティとして個人宅でも使用されていたりします。

警備会社と防災メーカーの関係性

各種消防設備機器と機械警備は相性がよく資本関係にも表れております。防災機器は『能美防災社』『ニッタン社』『ホーチキ社』『パナソニック社』の4社で占められてます。各社のIR情報の株主欄には機械警備会社名が記載されています。

能美防災社 セコム社
ニッタン社 セコム社
ホーチキ社 アルソック社

実際に機械警備各社の火災感知器は関係防災メーカーの火災感知器『現行品』を使用しています。機械警備を行っている会社が分かっていればどこ会社の感知器で警戒しているかがわかるのであります。

自動火災報知設備との違い

感知器

警備会社のシステムは独自のもので消防設備ではありません。そのため火災感知器の設置基準は適用されず消防法令通り設置する義務はありません。(実際の取り付けは法令通りである場合が多い)

自動火災報知設備はビルの面積や一定の条件に満たした場合に設置することになります。対して警備会社の火災感知器はテナントなどの入居者との契約で設置します。警備会社はあくまでも警備なので問題があったら実際に現場で緊急対応することを目的としてるためであります。

火災感知器が作動したらどうなるか

自動火災報知設備の感知器が作動したらビルの各所に設置してあるベル・サイレン(地区音響)が鳴り響き火災を在館者に周知します。

一方警備会社の感知器が作動すると警備会社の制御盤を経由して警備会社へ信号が送られます。その後状況確認の連絡や警備員が現場にかけ付けます。

自動火災報知設備
【消防設備】
感知したらベル・サイレンが鳴る
警備会社の火災感知器
【消防設備でない】
感知したら警備会社に通報・警備員が来る

なので、もしも消防設備点検時に誤って警備会社の感知器をあぶってしまった場合警備会社に通報が入り警備員がやってきてしまいます。その場合はどうすればよいのでしょうか。

あぶってしまった時の対処法

煙試験機

もしもあぶってしまったら、早急に警備会社の連絡先を探し連絡します。誤って試験をした旨を伝えることで警備員が出動しなくてすむかもしれません。

また、感知器が作動したらすぐ、現場の固定電話に警備会社から確認の連絡があるかもしれません。その電話に出られる方がいた場合は誤点検を伝えることができます。

機械警備会社の警備員は法令によって何か問題があってから25分以内に現場に到着しなければならないということになっていますので早急に連絡を入れる必要があります。

第四十三条 

機械警備業者は、都道府県公安委員会規則で定める基準に従い、基地局において盗難等の事故の発生に関する情報を受信した場合に、速やかに、現場における警備員による事実の確認その他の必要な措置が講じられるようにするため、必要な数の警備員、待機所(警備員の待機する施設をいう。以下同じ。)及び車両その他の装備を適正に配置しておかなければならない。

警備業法第43条

2 即応体制の整備(第2条関係)
(1) 機械警備業者が、基地局において盗難等の事件・事故の発生に関する情報を認知した場合には、25分以内に警備員を現場に到着させることを基準とする。

警備業法第43条の規定に基づく機械警備業者の即応体制の整備の基準等に関する規則の運用について

まとめ

  • 感知器は警備会社独自のものがある
  • 感知器についているステッカーを確認
  • 警備会社の感知器は作動したら警備員が出動する
  • 消防設備点検であぶってしまったらすぐ連絡を
  • よく調べ消防設備点検を実施する

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